知的な痴的な教養講座

知的な痴的な教養講座
開高健

読後の感想

 頭のいい中年の教養があふれる文章、との呼び込みで購入して読んだのだが、ほぼ猥談に近いという内容の本です。

 ただ文章自体はとても読みやすく、また短いエッセイが50章入っているという、敷居の低い本でもあります。

 教養としての部分にはいいエッセイが多いのですが、中でも特に秀逸なのが第二十六章の『コモン・センス』。
 この章のために一冊本を買っても悔いはない内容でした。『コモン・センス』の著者、トーマス・ペインの生涯について書き、そこから現代の状況にまで敷衍させる文章は、その文才と文章構成能力に鳥肌が立ちました。