『探偵ガリレオ』

『探偵ガリレオ』東野圭吾

読後の感想

特に理由はないけど触手が伸びなかった東野圭吾でしたが、会社の同僚からお勧めされたのでついに読み始めてみました。
読む前はもっと大学教授が主導的に解決する「森博嗣」的なものを想像していましたが、実際にはかなり警察組織の捜査が主体の流れでした。
シリーズものでなおかつつながりはそれほどないのですが、やはり出版順に読んだ方が楽しめると思い、まずは第一作目の「探偵ガリレオ」から。

5章構成ですが、中でもよいのは「第一章燃える(もえる)」「第五章離脱る(ぬける)」です。
ミステリィはネタバレが書けないので、小説の魅力を伝えるのは難しい。
しかも短編集だとなおさらです。

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目次
第一章燃える(もえる)
第二章転写る(うつる)
第三章壊死る(くさる)
第四章爆ぜる(はぜる)
第五章離脱る(ぬける)

『それ、いらない。』

『それ、いらない。』

2017年1月26日 第1刷発行
著者 ちゅら
発行 株式会社KADOKAWA

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読後の感想
存じ上げませんでしたが著名なブロガーさんの書籍化。
少ない持ち物で暮らすミニマリストというよりも、いかにして物を捨てるかにフォーカスしているように感じました。
子育て世代にはあるあるネタが多く、特に子ども関係のものに対しての考え方は参考になりました。
あと、めっちゃお金貯めてる感じのブログが好印象です笑

印象的なくだり

理想は旅するように暮らすこと
旅先に持っていく荷物が、今の自分たちの暮らしだと例えるのなら、その暮らし自体が小さなものであればあるほど身軽に行動できるのです。
せっかくの景色も、荷物が多いとなかなか楽しめることはできません(P.034)。

空間と時間にゆとりがある幸せ
モノを持たない暮らしで得られるのは、お金のゆとりだけではありません。
空間や時間にもゆとりが生まれます(P.159)。

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『ノマドライフ』

ノマドライフ
本田直之

読後の感想
表紙のあおりには「好きな場所に住んで自由に働くために、やっておくべきこと」とバーンと書かれています。私自身はノマドの生活に憧れているわけではない、と思い込んでいまししたが、本書を読んで、ノマドに惹かれていることに気がつきました。

それは

増やすのではなく、削ぎ落として本当に必要なものを選び、さらに減らしていく時代です。増やすことばかりを追求してきた人たちにとってみると、その「選んで減らす」ことがとても難しいかもしれません。でも、減らすことによって自由度が増し、自由度が増すにつれ、だんだんどこにいても生活でき、どこにいても仕事ができるようになってきます(P.133)。

という働き方に少なからず近づいていきたいと思っているからです。

本書の中も触れられていましたが、きっかけは東日本大震災です。当時都内で勤務していた私は、明日も同じような日が来るとは限らない、と身をもって体験しました。
と、同時に、震災後放射能のリスクがある日本から撤退する外資系の合理的な判断にも憧れをいだいていました。

世の中は変わるのです。そして変わる世の中に合わせて自分も変えていかないといけないのです、という強烈なメッセージを本書は「ノマドライフ」という言葉に置き換えて説いています。

一番いけないのは、不安だからと行って何もしないこと。何も調べず、何も考えず、何も行動に移さず、ただ不安を募らせて足踏みしていたら、毎日が無為に過ぎていきます。不安が嵩じるあまり、リスクヘッジもせずに飛び込むのも危険です。その意味では本書を、不安による思考停止の予防薬として役立てていただいてもいいでしょう(P.171)。

そして、実はノマドライフを実践するのに一番大切なことはベーシックインカム、つまり必要最小限、継続的に入ってくる収入だよ、というのは、非常に納得できる話でした。
自分が資産運用をする際に、インカムゲインに傾いてしまう理由もそれだったのでした。

ちょっと前の本ですが、今の生き方に危機感を抱いている方にはお勧めの一冊です。

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印象的なくだり
わたしたちは多かれ少なかれ、”旧来型のスタンダード”に縛られています。極端な言い方をすれば、企業の都合に”洗脳”されていたようなものです。
会社員を同じ時間に同じ場所に集めれば、管理する側はラクです。たとえは悪いですが、ヒツジを放牧するのではなく、柵付きの牧場に入れておくようなもの。会社の立場に立って考えてみましょう。自分の監視下に閉じ込めておけば、どのような仕事をしているか把握できますし、「遅刻も早退もない」という時間の枠組みを、評価の一条件とすることも可能です。つまり、これまでの勤務体系は、働く人間よりも管理する人間に都合良くできているということです(P.034)。

社内では優秀だけど、それはあくまで「よくできたら会社の仕組みをベースに結果を出す」という能力。オリジナルな試行錯誤をする機会もないので、いくら社内で優秀でも、ヘッドハンティングされるような人材になるのが難しいことがあります(P.068)。

愛社精神に溢れる優秀で若いビジネスパーソンには、「会社を愛するだけでなく、その仕組みから何か学び取る」という貪欲さをもつことをおすすめします(P.069)。

そもそも、社員に完璧に報いてくれる会社は存在するのでしょうか?あったとしても少数派ですし、「がんばったぶん、会社に認めてほしい」と願うのは、自分の成果を他者の評価にゆだねているということです。これは依存につながりますし、他者からの評価が完璧というのは、なかなかない話です(P.099)。

ノマドライフを送っていると、旧来型のスタンダードからすれば「何をやっているかわからない」と思われることも多いのですから、自分がどういう人間で、何ができて、どんなブランドなのか、自ら発信しましょう。相手の方から自分を見つけてくれるケースは非常に稀です。企業に勤めていなければ会社というブランドもないのですから、独自のブランドを作り、セルフメディアで周知のものとしましょう(P.157)。

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『減らす技術』

『減らす技術』
レオ・バボータ
ディスカバー・トゥエンティワン

あらすじ
月に100万人を超す読者がいる世界的人気ブログ「Zen Habits(禅的生活)」の著者が、やることを減らして豊かに生きるシンプルライフを提案する一冊です。

読後の感想
結構いい気分で読み進めていたが、途中で「あれ?この話、前に出てこなかったっけ?」と既読感でいっぱいになり、表紙を読み返したら、著者のブログのエッセンスをまとめなおした一冊とのこと。
目次を見ると、原則編と実践編が分かれているものの、あちこちに出てくるモチベーションを保つ似たような精神論にはちょっと残念な感じでした。
もうちょっと本の構成を考え直して欲しいと感じました。

とはいえ、特筆すべきは「関わり合い」への着目点です。一般的にこの手の本は「物を減らすこと」にフォーカスしがちですが、この本は「関わり合い」を減らすことに言及しているということです。実際のものではなく、心の中や脳の中の空き容量を増やすことに着目しているあたりは眼から鱗でした。
おそらく筆者も「関わり合い」を減らすことをに苦労したのでしょう、「関わり合い」を減らす部分だけ、断り方、減らしかたの具体例が非常に充実していました。

今日、あなたの人生に大きな影響力のある変化をひとつだけ起こしたいなら、生産性や効率を上げて、やりたいことをやれるような人生にしたいなら、「関わり合い」を減らそう。
(中略)
毎日は、関わり合いの嵐で、人生に余白はゼロ。時間とエネルギーを奪われてもうへとへとだ。だれかのリクエストに「イエス」と答えるたびに関わり合いが生まれ、あなたの時間は奪われていく。
しかし、今抱えている関わり合いは、一度に全部引き受けたわけではない。
ひとつずつ、ゆっくりと増えてきたのだ(P.153)。

印象的なくだり

人生をシンプルで生産的にする「6つの原則」
原則1 制限する
原則2 本質に迫ることだけを選ぶ
原則3 シンプルにする
原則4 集中する
原則5 習慣化する
原則6 小さくはじめる(P.011)。

「もっとも重要なタスク(MIT)」とは、その日ごとに絶対達成したいタスクのことだ。
私は毎日3つ、MITを選んでいる。とりあえず3つからはじめて様子を見てみるといい。
「今日は何がなんでもこれをやり遂げたい!」というものがMITだ。
だからこそ、私はいつも朝一番にとりかかる。朝起きて、水を1杯飲んで目を覚ましたらすぐMITだ。
(中略)
さて、MITを選ぶときに私が気をつけているポイントはこうだ。
3つのうち少なくともひとつは、自分の人生のゴールに関連しているものを選ぶこと。
ほかの2つは仕事関連でも(ほぼいつもそうだ)、残りのひとつだけはいつも「人生のゴール」につながるものにしておく。
そうすれば、夢に向かって毎日着実に前進していることになる(P.103)。

これは実際にやってみました。
朝、ツイッターに3つ呟いてみて、寝る前にできたかどうかを振り返ってみました。
圧倒的に進んでいる感は出ますね、おすすめです。

1度にひとつのことだけをする。
これが「今」に集中するための、何よりの練習方法だ。食べるときは、ただ食べる。何を口に入れているのかきちんと意識しながら、味と歯ごたえを楽しもう(P.068)。

私のモットーは「管理の前にまず減らせ」(P.113)。

Eメールは朝一番にチェックしてはいけない。これは生産性の向上のためには欠かせないポイントだ。
まずは、自分が「今メールをチェックしている」ということをしっかりと意識することからjはじめよう(P.124)。

ゴミ箱かダンボール箱を用意してひとつずつ処理を決めていく。
選択肢は「捨てる」「あげる」「とっておく」のいずれかだ。
見るだけ見てとりあえず引き出しに戻す、なんてことはしない。
「またあとで」の繰り返しになって、ガラクタの山と永遠におさらばできなくなる(P.187)。

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『秒速で1億円稼ぐ条件』

『秒速で1億円稼ぐ条件』
与沢翼

あらすじ
著者はアフェリエイトで財をなした人物。オプトイン・アフェリエイトという成果報酬広告の「広告主」としてメールアドレスを集め、集めたメールアドレスに「アフェリエイター」として自動返信メールを送るという二つの立場を使い分けるスキームが成果報酬を生み出すというものでした。「広告主」としての支払いサイトは75日と長めに設定し、「アフェリエイター」としての支払いサイトを短めにすることで、先に「アフェリエイター」としての報酬分を回収して、「広告主」としての報酬を支払うというものです。これをして、経費の回収と利益の確定を数秒でおこなうことから、「秒速で稼ぐ」という訳です。

読後の感想
正直、与沢さんの言動やその後の様子から食わず嫌いの感はありましたが、実際に本を読んでみると、印象は大きく変わりました。
読む前は単なる大言壮語のアフィリエイターかなと思っていましたが、実際にはリップサービスが過ぎて、せっかくいい内容でもわざと言い方を悪くして炎上させている方なのではないかというものです。
例えば、組織を作るとかビジネスを作る、といった話は抽象的でまったく響かないのに対して、自分で仕組みを作ったり作業をやったりするくだりは非常に具体的で分かりやすいし、いい意味でのギャップはありました。
ただ、いま与沢さんの本を読む意味があるのかと問われると残念ながら、読む意味に乏しいと思います。この本は発行された2013年にしか価値がない本です。
なぜなら、確かに与沢さんは稼いだかもしれませんが、あくまでも広告主が出す広告費を手に入れたに過ぎず、何か新しいものを生み出したりした訳ではなく、新しい価値が増えたわけではないからです。当時はまだ問題にならなかった手法で、仕組みの穴をついただけであり、一番最初に始めたのはすごいとは思いますが、内容としては褒められたものではないからです。
というわけで、読む価値なしでした。

印象的なくだり

今あるものにフォーカスしていくしかないのは当たり前の話で、それをどう活かしていくかが問われてくる。めそめそと現状を嘆いているばかりでは何も始まらないのだ。
ビジネスの視界は、それをスタートさせた人にしか広がってこない(P.041)。

資金や人材、ツール、商材など経営資源がないのでビジネスが始められないと言い訳をする人がいるが、その「ないからできない」という言い訳をするようでは経験上、決定的に金儲けには向いていないと思う。
それよりも、今ある経営資源をすべて書き出し、使えるものから投入していくべきなのだ(P.066)。

私の場合、今日何をやるのか全部書き出し、それを上から順番に修羅のように処理している。
その書き出した項目に「終わった」という意味で斜線を入れるとき、なんとも言えない心地よさを覚えて気持ちが爽快になることを自分が一番わかっている(P.072)。

ブログを書くうえで、一番良くないのが、何が言いたいかわからない「あいまいブログ」である。
(中略)
ブログを「誰に」向けて書くかは思いつきやすいが、そこに「何を」書くのかが難しい。「何を」がわからない人は、とりあえず好きなこと、趣味、嗜好、得意なことを棚卸し、コンテンツになるようなものを探し出すことだ(P.156)。

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