今日から始める「やる気」勉強法

今日から始める「やる気」勉強法
ロングセラーズ
吉野敬介
安河内哲也

読後の感想
 予備校教師二人の共著で同じテーマについて、個別に書かれている本です。
 なかなか好対照なことが書かれていたので、楽しく読めました。
 ただせっかく共著だったので対談形式とか共通点と相違点がはっきり分かるように書かれていればもっと良かったです。
 これだと、単に全く異なる指導を二人がただ書いているような印象を受けてしまいかねないと思います。
 あと、二人の考えの根幹は同じなのですが、ちょっと言い方が異なるので混乱する部分も見受けられました。

印象的なくだり
たしかに「……だけれど」という保険をかけておいた方が、失敗したときに格好悪くありません。
しかし、このように保険をかけると「甘え」が生まれてしまい、「どうせ断言はしていないのだから、この程度でいいか」と無意識に考えるようになってしまいます(P081)。

一人で映画を見たり、街をブラブラしていれば、おのずと焦ってくる。
「こんなことでいいのかな。こんな時間をムダにしていていいのかな」と、追い込まれていく。
そうすると、息抜きをしている場合ではなくなり、さらに勉強に励むようになる(P097)。

古文が苦手なら、古文をまず最初にやるのです。
好きな科目は、時間が遅くてもやることができます。
古文を最後に残したら、眠くなってやらないでしょう。好きなものは苦にならない。
最後に残っても何とかやれるのです(P159)。

この本をどう活用するか
苦手なことは先に、好きなことは後に。
分かっていてもなかなかできませんでしたが、きちんとした理由付けが一つつけられたので、実行しやすくなりました。
これから計画段階から意識して行います。

できる人の勉強法

できる人の勉強法
中経出版
安河内哲也

読後の感想
 勉強方法の紹介と、その前段階であるやる気・モチベーションの維持を主眼に書かれた本です。

 勉強したいけど、その方法が分からないという漠然とした気持ちを持っている人には有効だと思います。
 ただ、精神的な部分についての記述は合う人と合わない人の好みが分かれるかなと思いました。ちょっと前向きすぎる部分があります。

 書き写すと気づくのですが、本来漢字で書かれるべき部分がひらがなで書かれていることが多いです。分かりやすくしようとしたのか、文字量を増やそうとしたのか分かりませんが、不自然な印象をぬぐいきれませんでした。

印象的なくだり
 だいたい、世間には「できたらいいな」と思っているうちに3年が過ぎてしまったという人が多すぎます。
 3年もつづけていれば、たいていのことはできるようになっています。
「やろうかな、どうしようかな」と3年も迷っているのなら、すぐにやるべきです。迷っているだけ時間のムダです(P041)。

 「失敗すると恥ずかしいから……」とためらう人がいます。こういう人は、「失敗=マイナス」という精神構造を徹底的にたたき壊す必要があります。
 「どうなるかわかならいけど、やってみるか」という考え方に転換しないかぎり、新しい何かは絶対に始まりません。
 そもそも、失敗をマイナスと考えてしまうのは、物事を「短期」で見ているからです。物事は絶対に「長期」でとらえるべきです。
 長期で見れば、失敗はマイナスどころかプラスに転じることだって多々あります(P044)。

 自分に「向いているもの・向いていないもの」が見きわめられるのは、いろいろなことを体験したからこそできることです。
 何もしないで頭だけで考えているのでは、自分の向き・不向きなど決して分かりません(P051)。

 「暗記した」とは、覚えたことが記憶に定着し、それが何年たっても頭の中に残っていて、必要なときにアウトプットできる状態のことをいいます(P084)。
1.やり方をしばらない
2.内容の浅いところから次第に深めていく
3.メンテナンスをする

 問題集はどんどん書き込んで使い捨てる
 問題集をきれにとっておいたところで、人生のどこかでもう一度やるほど人生は長くないのです(P110)。

 (前略)自分が勉強しないことを、学校や先生、親、会社、景気など、まわりの環境のせいにする人がいますが、その考え方から抜け出さないかぎり、一生勉強はできるようにならないと思います。
 その環境を選んだのは自分だし、イヤなら環境を変える努力をすればいいのです(P154)。

 勉強していれば、まちがうに決まっています。そもそも、できないから勉強しているのであって、できるなら勉強をする必要はありません(P172)。

 目標ある人は、勉強をしないことがマイナスであることは十分に承知しています。
 そのため、勉強もせずに遊びほうけてしまうと、その後、決まって「私は何をやっていたのだろう。なんて時間のムダ遣いをしてしまったんだろう」と自己嫌悪に陥ってしまいます。
 そんな場合のストレス解消法は、思いっきり勉強することです(P194)。

 勉強をする上で絶対につきあうべき人とは、ポジティブな人、もっと具体的に言えば「強烈な向上心」を持つ人です。
 そこでは、年齢や分野、業界などはまったく関係ありません。
(前略)ただし、絶対に肝に銘じておいてほしいのが、自分自身がポジティブにがんばっていなければ、ポジティブな人はつきあってくれないということです(P217-218)。

この本をどう活用するか
 勉強方法というより、モチベーションの維持のためにたまに読みたいと思います。
 向上心のある人と付き合うという生き方はとても共感できました。相手にも「自分に会いたい」と思ってもらえるよう自分を磨きたいと思いました。