『訪日外国人観光客ビジネスがよ~くわかる本』

『訪日外国人観光客ビジネスがよ~くわかる本』
森山敬

読後の感想
やはり知らないことを知るのは面白い。
さらに「知っている」と思っていることが「実は知らなかった」というのは更に面白い。
おそらく時期を逃さぬよう急いで出版したのであろう、てにをはが結構違ってた、内容とは関係ないけど。

著者は行政書士。
免税店の申請書作成が得意分野なのであろうか。
ニッチな得意分野で本を書くのは常套手段でとても感じがいい。

免税店になる(法的には輸出物品販売場の許可を受ける)のは実は簡単。
但し、免税店になったからといって急にお客さんが来るはずもな
、免税店になったことをどう見せるかが大事。
その意味では、免税店になるのは単なるスタートにすぎない。
ジャパンタックスフリーのロゴなんて意識して見たこともないよ…。

結局日本人だろうが外国人だろうが、未知のことは不安だし
その不安を消すために情報を集める。
その集めた情報の中に「日本で信頼できる●●のお店」と
入れてもらえるために、という流れ。
免税店になることも、サイトにお金を出して掲載してもらうことも
外国人スタッフを雇うことも全てそのため、ということですね。

印象的なくだり

同じものを大量に買うのなら、いちいち日本に来て買わなくても、個人輸入でも良いのではないかとも思いますが、実は中国では輸入関税に加えて、物品の輸入にかかる「増殖税」という付加価値税があります。
基本税率は17%ですが、こうしたこともあって「近い国だし、行って買ったほうがトータルで安くなる」という考える人も多いのです(原文ママP.020)。

地方におけるインバウンドビジネスの可能性が高まっているのは、都市部でホテルなどの宿泊施設が不足してきていることも理由のひとつに挙げられます。
国土交通省が公表している「観光白書」平成27年度を見ると、東京・大阪では宿泊施設の客室稼働率が、2011年には70%程度だったのが、2014年には80%を超えていると示されています。
羽田空港のある東京都大田区では、稼働率は2014年に90%を超えてしまうなど、東京や大阪、京都などでは宿泊施設の飽和状態が続いているのです(P.046)。

金沢市はまさにその通り。
完全に宿泊施設不足ですね。

どのような場所に外国人が集まっているのかを地図上で視覚的に見られるツールとして、株式会社ナイトレイ(代表取締役・石川豊氏)のサービス「inbound insight(インバウンド・インサイト)」というものがあります(P.072)。

登録しないの見れないのか…。

中国においては「Ctrip」という旅行情報ポータルサイトが、圧倒的に知名度が高いと言えます(P.090)。

『資格で起業』

『資格で起業』
丸山学

読後の感想
あ、最初に書いておきますが、そんなにうまい話はありません(再確認
とはいえ、この本を読んで起業についての考え方が根本から変わりました。
それは、いままで給与所得者を辞めて会社を興すことを「独立」と考えていましたが
実は考え方が後ろ向きである、ということに気付かされたことです。
実際には同じ行為であったとしても会社を興すことは「起業」であって独立とは別なんですよね。

実際「独立」だと会社から逃げているような気がしますし、
「起業」だと自分の手で、みたいな気になってきます(きました

言葉の取りようと言われればそれまでですがそんだけ。

印象的なくだり

サラリーマンという固定収入を得ながら勉強費用を捻出していますので、生活を脅かされるようなリスクは存在しません(P033)。

兼業受験生をポジティブに考えるマジックワード。
合格率とか気にしない…?
一般的には仕事しながらは不利、と考えていたし、自分も知らず知らずのうちにそう思っていた。
でも、このようにリスク側からもう一度状況を見直してみると、なんかいいことみたいな気がしてきた。
確かに受かる確率が低いものであれば低いほど、専業すると一か八かだもんなぁ。

気づくのが遅すぎて恥ずかしいくらいですが、士業のもとに訪れる依頼人の多くは「書類を作成していただきたいのですが」と言って訪れます。が、依頼人の目的は法律的に間違いのない書類を作成することではありません。もっと別に実現したい目的があって、その過程で必要に迫られて書類を作成しなければならないだけなのです。
たとえば、会社設立手続きを依頼する人は会社を作ることが目的ではありません。事業を成功させることが最大の目的なのです(P039)。

実は、見込み客を集めるいちばん簡単なコツは「情報提供」を行なうことなのです(P116)。