問題点

人様のお話を聞きつつ「問題点は何か?」ということがわかれば、その問題の半分は解決しているんだよねぇ、と思った今日一日。

ちなみに、解が存在することがわかれば、その証明は半分解けたも同然ってのも同義。

そもそも「どこが問題なのか」がわからないから、問題なのですな。

『大学3年になったらすぐ読む本―面接試験「自己PR」の準備と実践』

『大学3年になったらすぐ読む本―面接試験「自己PR」の準備と実践』
大和書房
檜谷 芳彦

読後の感想
別に就職活動をしようと思いついたわけではないのですが、自己紹介を上手にしたいと思って読み始めました。
多くの人の印象に残るような自己表現をしたいと考えたときに、一番役にたった本が就職活動の本だったからです。
大学生向けに書かれており、分かりやすくかつ実行しやすかったので、すぐに役に立ちそうでした。ただ就職活動をしていない人には後半は不要かと思いましたが。
いずれにせよ、自己紹介をシナリオ風にまとめて、分かりやすく印象付けるというのは非常によい方法だと感じました。実践的です。
こういった本を読むと「自分って、他人にどういった印象を与えるかとか何にも考えないで生きてきたんだなぁ」とがっくりきます。でもくじけちゃいけないっ。

実行しようと思ったくだり
毎月一回知らない人の前で自己紹介をするので、印象的な自己紹介ができるよう、自分のシナリオを作ってみよう。そしてA4用紙一枚にまとめてみよう。

印象的なくだり
人間は、本来勤勉な動物だ、と私は思う。そうでなければ、利口なイヌやサルが、ずっとイヌやサルのままでいた長い間に、人間がこんなに進化するわけがない。
人間は厳しい環境のときほど、勤勉になり、自分でやらなければならないことを、自分で探して、がんばってきたのだと思う。ということは、自分をある程度厳しい環境に置くと、人間は、何かをしたくなるし、やらなければならないと考える動物なのではないだろうか
(P030)。

シナリオを作る
長さと分量
「自己PR」は、時間の指定がなくても、せいぜい60秒から180秒の時間内に述べなければならない。これを文字にして書くと、だいたいA4用紙1枚程度、原稿用紙で3~4枚程度だ
(ブロック1)あいさつ文
(ブロック2)キャッチフレーズ
必ずしもなければならないというわけではないが、もし、的確なキャッチフレーズを思いついたら、是非入れておきたい。
(中略)
「自己PR」では、とにかく印象に残らなければ勝負にならない。自分を表すさわやかな、かつ、強烈なキャッチフレーズがあれば有利だ。ただし、キャッチフレーズは、自分の特徴を表していないものを選ぶと、奇をてらった感じがして、かえってマイナス効果だ。だから、下手なキャッチフレーズなら、ないほうがいい
要は、キャッチフレーズが、次の(ブロック3)と(ブロック4)を端的に表現している的確さがないと効果がないわけだ。
(ブロック3)いちばん言いたいこと(結論)
(ブロック4)根拠を述べる
(ブロック5)締めくくり

『お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践』

『お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践』
光文社
勝間和代

読後の感想
別の経済の本を読んでいて、書評に参考図書として挙がっていたので読んでみました。
以前、自己啓発系でひどい目に遭っていたので(笑)、身構えていましたが、経済の本は流石に分かりやすかったです。
なにげに実行しやすいことを中心に書いており、他の本よりは丁寧なつくりだと感じました。
ただ、この本のメッセージを正しく受け取らないとたいへんなことになるのは間違いないようです。生兵法は怪我のもと。
リスクの分散については、もっと丁寧に書いてほしかったです。

印象的なくだり
株式投資は主にファンダメンタルズ分析とチャート分析によって行われます。ファンダメンタルズ分析とは、企業の業績や株価などを用いた投資指標によって株価が割高か割安かを分析すること、チャート分析とは、チャートパターンやテクニカルチャートを利用することで株価動向を分析することです。
(中略)
会計利益の将来期待の大きさの割に株価が安い会社に投資することは、統計的には勝つ可能性が高い「投資」(リスク)になりますが、チャート分析を使って株式投資をすることは単なる「賭け」(危険)になります(P049)。

「円の金利の標準は国際の金利で決まる」「金利は通常、期間が長くなるほど
高くなる」「信用リスクがあるところの金利は、国際の金利よりも高い」という三つの基本的なポイントを押さえておけば、なにか特別な理由がない限り、不利な定期預金にお金を預けることは少なくなると思います(P072)。

借り主である私たちにとって分の悪いものがなぜそれでも成り立っていたかというと、これまえは投資した住宅が購入価格以上に値上がりしていたため、負債側が多少の利ザヤを銀行に支払ったとしても、資産側のリターンがそれを上回ることによって問題とならなかったのです(P096)。

一般的に買ってはいけない住宅の最たるものが、新築マンションです。特に、大規模な宣伝を行っているような大型分譲の新築マンションは注意をしてください。
新築マンションをなぜ買ってはいけないかというと、新築には必ずその建築業者の利ザヤが多く乗っているためです。購入価格のだいたい20~30%ぐらいは、その新築マンションの広告費や粗利益であると考えていいでしょう。したがって、新築マンションー例えば4000万円のマンションだとしたらーを市価で転売しようとした瞬間に3000万円前後でしか売れないような、買った瞬間に値が下がるケースが多いのです。新築マンションはその1000万円分の儲けで、モデルルーム代やチラシ代、セールスマンの人件費までまかなっているのです(P100)。

電車広告は費用対効果が図りにくいため、比較的宣伝費に余裕のある企業によって行われているのですが、電車広告を見渡してみると、中吊り以外のドアの上にあるような長期契約な必要な広告については、住宅、消費者金融、それに教育関係によって多くのスペースが占められています。費用対効果が分かりにくいにもかかわらず、なぜそれだけ大きな広告費を使えるのかといえば、それだけ使ったとしても儲かるものだからです(P106)。

住宅ローンは、銀行や政府、住宅メーカーが、それを組む人を必要とするから煽るのだという説明を前にしました。これと同じように、株式なども、証券会社や機関投資家が個人投資家を必要としています。なぜなら、損をしてくれる人、つまり”カモ”がいないと機関投資家が得をできないためです。したがって、こうした「○○○○で簡単に儲かる」といった本が多く出回っている背景には、すぐに儲けたいと思う個人の弱い心を利用して、それを煽ることで儲けようとしてる構造があるのかもしれません。いずれにせよ、そんな簡単に儲かるのだったら、たかだか1000円か2000円の本でそのノウハウを教えてくれるはずがないという考え方が健全だと思います(P128)。

債権と株式、どちらの方が、今後リターンがよくなるかということについては一概にはいえません。歴史的に見て、過去20年くらいは株式のリターンが債権のリターンを上回ってきたため、逆に債権の方が株式よりもリターンが高くなることが統計上は考えられます。ただ、分からないときには、ほぼ同額を分散するのが一番リスクが少ない方法になります(P177)。