道具をゲットしたぜ

上州屋金沢駅西店のMさん、ありがとうございました。

『2時間で丸わかり 不動産の税金の基本を学ぶ』

『2時間で丸わかり 不動産の税金の基本を学ぶ』
吉澤大

読後の感想
この本を対象としているのは、ずばり
不動産業界に入ったばかりの新人さん
です。間違いない。

平易な文章と、契約が進むに従ってどのような問題が出てくる、という点もきちんと押さえられている上に、平易な文章で書かれているので、お客さんに説明するレベルでは問題ないでしょう。
「正確なところは司法書士(税理士)の先生に」とか濁しておけばよいです(ダメな例

はじめに、にも書かれていますが

不動産の税金は「夏休みの宿題」のように後回しにされる(P.002)。

がまさにその通りで、積極的に勉強しないといつまで経っても覚えられません(自戒

というわけで、正確には分からないけどどんなものなのか説明できるレベルを求められている不動産業者の新人は読んだほうがいいよ(不特定個人に向けて

印象的なくだり

 つまり、不動産のプロが果たすその役割は、まさにお客様と専門家をつなぐ「通訳」といってよいでしょう(P.5)。

 コピーに「原本と相違ありません」という記載を加えたり、新たに署名や押印をしたりした場合には、そのコピーは、もはや単なるコピーではなく印紙税の課税文書となるので注意しましょう(P.44)。

これは知らんかった。

 減額後の課税評価額は次のようになります。
 ①200㎡までの部分(小規模住宅用地)※
  固定資産税:課税評価額×1/6
  都市計画税:課税評価額×1/3
 ②200㎡を超えた部分(一般住宅用地)※
  固定資産税:課税評価額×1/3
  都市計画税:課税評価額×2/3
 ※これらの軽減措置の対象となる住宅用地の面積は、家屋の総床面積の10倍までが限度となります。

『悪の経営学 キレイごとじゃない”真”の経営学』

『悪の経営学 キレイごとじゃない”真”の経営学』
大村大次郎

読後の感想
元国税局職員という触れ込みの著者の「悪の会計学」「悪の税金額」に続く「悪の」シリーズ三作目。
といっても、脱税指南本ではなく、既存の制度、仕組みを法律の範囲内で有効活用し、なおかつ国税局職員の心理面からのアプローチ(いわゆる裁量や職員のノルマ)を含めたという意味で、よくある資格者(税理士)が書いた本とは、「実務的である」という意味で一線を画していました。

但し、本当に大丈夫か?という確認は絶対要りますね、この手の本は。

あっという間に税制度も変わるし。

経営者視線で描かれていたので、給与所得者の自分にストレートに使える部分はそう多くなかったのですが、社員の不正を見抜く方法というくだりで

抜き打ち検査は無作為に抽出し、深く検査する(P.102)

は参考になりました。ごまかしは広く浅くでは分からないということですな。

印象的なくだり

 経営がうまくいくまでは、どんな経営者も必死に自分のため、会社の利益のために働いているのです。
 松下幸之助だって、今でこそ”社員を大事に”とか、”社会のために”などと殊勝なことをいってきたという記録が残っていますが、バリバリの経営者だったころは、大阪の主婦から不買運動を起こされたこともあります(P.19)。

まずは自分と従業員が食えるようになってから…ですな。

 彼らが好きなことをしてうまくいっているのには、大きく2つの要因があると思われます。
 1つは、好きなことやっているのだから、それに対する習熟度が高く、情報なども豊富に持っているということです。つまり、”好きこそものの上手なれ”ということです。
 それともう1つは、好きなことをやっているのだから、苦難に耐えられるということです。人は好きなことをしているときは、多少の障害があっても諦めません(P.21)。

 経営者たちが最低限押さえている決算書の重要な数字を挙げましょう。
 売上⋯これはもちろん、その事業で、売上がどのくらいあったかという数字です。
 利益⋯これは、売上から原価、経費を差し引いたものです。
 役員報酬⋯これは、経営者がどのくらい報酬をもらっているかという数字です。
 現金預金⋯これは、会社に今、どのくらいの現金と預金があるかを示す数字です(P.29)。

『同じ条件、同じ時間で 10倍仕事ができる人、10分の1しかできない人』

『同じ条件、同じ時間で 10倍仕事ができる人、10分の1しかできない人』
鳥原隆志

読後の感想
人材教育コンサルタントが書いた5000人以上のデータから分かった「仕事ができるできない」に関する行動特性。その特性を新入社員二人に出来る奴、出来ない奴にあてはめ、ストーリー化した大変分かりやすい本でした。

ビジネスの場において私たちは常に比較されているということです。
比較された結果、選ばれなかったのです(P.026)。

心臓を一突きにされました、胸が痛い。

本文の中に登場する、Lineやチャットのように何度もメールが往復しないと話が進まない人、誰も見ないメールを一生懸命書く人、いいことは言うけど全然実行しない人、全部どこかで見た風景ばかりでした。

自戒を込めて書きますが、下記は自分のことです。嗚呼反省。

理解しなければならないのは、自分の評価は自分が決めるのではなく他人が決めるということです(P.237)。

与えられた仕事をこなして評価されると思っている。しかし、実際は相手の要求レベルを上回って初めて評価されるのだ。ただ上回るのは少しで良いということです。

自分は、相手に期待させすぎるきらいがあるので気をつけよう笑

読後の感想

 私がいままで多くのビジネスパーソンの指導をしてきて見えたことの一つが、成果の出ない人の行動特性で最も多いのが、「自分が成果の出ない行動をしていることに気づいていない」、もしくはそのことに「気づこうとしない」ということです。
 成果の出にくい行動を取る人が表面的に成果の出る人の行動を真似ても、成果には結びつきません(P.31)。

セミナーばっかり参加する意識高い系ですな笑。

 [成果を出せる人の行動特性]
 計画を立てながらも、柔軟に修正を加えながら仕事を進める。
 [成果が出ない人の行動特性]
 最初から計画を立てずに、行き当たりばったりで仕事を進める(P.80)。

 たとえば成果の上がる人は、自分に必要な情報を確実にメモに取り、自分は何をすべきかを整理しています。成果の上がらない人は、メモを取っても、自分の行動に置き換えることができません(P.112)。

この自分の行動に置き換えるということがとても大事。
よく想像力とか言ったりしますね。

 デール・カーネギーは著書『人を動かす』のなかで「人が一番興味があるのは自分である」という意味のことを言っています。
 電話の会話を調べたある研究でも、人は自分で思っているよりもはるかに多く「私」などの一人称を使っているという話がありますが、人は誰もがそれぞれに自分を中心にしてものを考え、話をしています(P.132)。

『「段取り」の鉄人 四川飯店・陳建一が語る一流になるための仕事術』

『「段取り」の鉄人 四川飯店・陳建一が語る一流になるための仕事術』
陳建一

読後の感想
テレビ番組「料理の鉄人」の中華の鉄人として有名な陳建一さんが書いた「段取り」の本。
僕が最も尊敬する上司の口癖が「仕事は段取りが八割」ということもあって
「段取り」と書かれた本には否応なく目が行ってしまいます。

なぜ料理人が段取りの本を?と最初思っていましたが
読んでみたら「なるほど」と思うことばかりでした。
料理をしない自分にはピンと来なかったのですが
実は料理は「段取り」が全てなのです。
複数の料理を同時につくろうとした場合や、蒸したり時間がかかる場合、
あるものを作っているのと同時進行で、次の料理の下ごしらえをしたり、と
作りたてのものを同時に食べようと思ったら、上手く段取りするほかはないのです。

本には料理の段取りだけではなく、食材を揃えるための準備の段取り、
会社を成長させるための人材育成の段取り、などについても触れられています。
いざ何かを行おうとしたときに、段取りがされていないと何にもできないので
何はなくても準備しておくことの大切さが記された部分が印象的でした。

また、陳さんにとって「料理の鉄人」という番組がどれほどの影響力を
与えたか、という部分も大変興味深かったです。
「料理の鉄人」は一時間という時間制限があり、その中で
どのように料理を作るか、という段取りの努力。
ただ美味しいものを作るのではなく、絵的に美味しいもの、審査員が食べやすいもの、
女優さんだったら小さく切ったり、と食べる人の気持ちを推し量って作ってたこと。
テレビの画面では見えなかった数々の努力が伝わってきて
ただチャラチャラテレビに出ているのではなかったと今更ながら感銘を受けました。

現在は何よりゴルフ好きだそうで、いかにしてゴルフができるように
仕事の段取りを組もうか、というほっこりするお話もありました。
文体も読みやすく、何より人間的な魅力に優れた本です。おすすめ。

ちなみに、広東料理と四川料理で火力が全然違うので同じ中華料理のお店といっても
必要な設備がぜんぜん違うということは勉強になりました(P.028)

印象的なくだり

 実は、僕たち料理人の世界では、「段取り」はすべてのベースになっている。
料理をしようと思ったら、段取りが組めないと致命的だ。
 一度でも料理をしたことがあればおわかりだと思うが、
複数の料理を同時に作ろうと思ったら、だいたいどういう手順で何をやるかを
考えてみるだろう。
「こっちでお湯を沸かして麺をゆでている間に、野菜を切っておこう」とか、
「煮込んでいるうちに、盛りつけのお皿はテーブルの上に並べて、
サラダも作ってしまおう」とか、そういう段取りを踏んでいるはずだ。
 そもそも、「あの料理を作るためには、材料は何が必要で、
どれくらい時間がかかるか」なんてことを考えることも、段取りだ(P.8)。

 このイベントから僕は担当者に任せるのではなく、
最終的に自分でチェックしなければいけないということを強く学んだ。
今回と同じようなミスを繰り返さないために、それ以来、
僕は受け入れ側にはわからないように、裏でもう一度チェックするようにしている(P.39)。

材料の魚(鮎)が足りなかったときのエピソード。
鮎が逃げてしまいました、とお詫びをするユーモアのあるなかに秘める気持ちと
裏方の人の気持ちを傷つけないようにする気遣いがステキ。

 豆腐を入れることを例にしても、入れることは誰だってできる。
そこでドバっと入れてしまうのではなく、優しく入れるべきだし、
上達すれば素早くきれいに入れることができる。
それは見ていて格好がいいし、良い料理につながる。
 包丁さばきなども、当たり前だが、練習次第でどんどん上達する。
刃先で切るのか、叩いて切るのか、押して切るのか――。
そういったことも練習を積むことで、自然と身体になじんでいく
(P.88)。

 「一流の料理人」とか、「一流のお店」という評価をよく聞く。
僕の中には、一流も二流も三流も存在しない。一流というのを決めるのはお客さまだ。
 居酒屋の「へいらっしゃい!」という雰囲気が心地よければ、
それはその人にとって一流だし、ホテルの「いらっしゃいませ」という
雰囲気が好きならばそれが一流だ。
それはこちら側が勝手に判断することではないと思っている。
最高級の食器を使ってインテリアに凝っていれば一流なのかといったら、
そんなことは全然ないはずだ(P.115)。

 入社して一年、二年までのスタッフたちには、あまり厳しく叱ったりすることはしない。
自分が仕事を始めた当時を振り返るとすぐわかるのだが、
この時期のスタッフたちは仕事を完全に把握できていないので、
叱りつけるよりも「気をつけような」「次がんばろうな」と声かけすることで、
やる気を持たせて成長してもらうことに期待をかけたほうがいい(P.159)。