『ホームページにオフィスを作る』

ホームページにオフィスを作る
光文社
野口悠紀雄

読後の感想
自分自身を表すようなサイトを作りたいと思って読み始めた本です。
まずは、自分にとって便利なものを作る、という目標を与えてくれた本です。
個人で作るというより、団体で運営するときに参考になる本だと思います。

印象的なくだり
(前略)、「自分が使って意味がないようなホームページであれば、他の人が見ても意味がない」ということを確認しておこう(P038)。

インターネットは、どんな人でも自分の意見を全世界に向けて発することができるという意味で、画期的な意味をもつメディアである。
ただし、「自由に発言できる」ということが、半面において大きな危険をもっていることも事実である(P063)。

私は、複雑な情報の伝達に関してはテレビの能力に大いに疑問を抱いているのだが、宣伝能力に関しては、脱帽せざるをえない。
テレビは、まさに、現代社会の怪物である(P121)。

つまり、「自由の確保」ということが、自前のサイト運営に踏み切った最大の理由だったのである(P122)。

アクセスを増やし、リピーターを確保するための方法は、以下に述べるように、いくつか考えられる。
ただし、経験から分かった最も重要な結論は、「一に更新、二に更新、三に更新」だ。
つまり、できるだけ頻繁に更新し、つねに新しい情報を提供することである。
これは、考えてみれば当然のことだ。
「アクセスしたところでいつも同じ内容」というのでは、すぐに飽きられてしまう。
インターネットの利用者は、きわめて短気で、移り気なのだ(私自身が、他のサイトを利用するときには、そうである)(P172)。

実は、本当のデバイドが発生するのは、パソコンやインターネットでは処理できない専門的な仕事だ。
(中略)しかも、パソコンやインターネットでできないサービスの価値は、パソコンやインターネットの使用が増えれば増えるほど、増加する。
そして、こうした分野の高度な専門家は、簡単には育成できない。
だから、彼らの価値は、IT時代においては、きわめて高くなるはずである。つまり、IT時代における本当の差は、IT以外のところでつくのである(P203-204)。

ネットで得られるのは、細切れの断片情報だ。学校教育では、そうした断片情報を位置づけ、評価するための「知識」の体系を教える必要がある。
だから、むしろネットからは遠ざけなければならない(P206)。