知識ゼロからのジョギング&マラソン入門

知識ゼロからのジョギング&マラソン入門
小出義雄

読後の感想
 かつてマラソンの監督だった人が書いた本。見開き半分が図解になっており、文字の部分もかなりでかいポイント、とても読みやすい。タイトルも一問一答式で簡潔に答えられている。

 これは著者の性格なんだろうけど、設問に対する答えが割と適当。「ジョギングにはなにが必要ですか」という問いに対して「なにもいらないよ。でも、時計はあったほうがいいね」と、ほほえましい回答が笑いを誘う。

 本当の初心者なら軽く目を通しておいても損はない。フォームとか理屈の話はあんまり書かれていません。

参考になった文章

ケガや故障にあわないランニングのしかたを覚えておこう
1.走行距離を延ばしすぎない
2.機能性の高いシューズを選ぼう
3.ウォーミングアップとクーリングダウンを
4.体の手入れを忘れずに
5.太っていたら体重コントロールを
6.痛みがあったら走らない

 1km走ると、体重1kg当たり1kcal消化する。体脂肪1kgは7000kcalのエネルギーを持っている(P069)。

「朝がつらい」がなくなる本

「朝がつらい」がなくなる本
梶村尚史

ISBN978-4-8379-7635-6

読後の感想
 睡眠に関する本の割には、理論的な部分は少なく、実践的なものが多いので、本当に困っている人には大いに参考になる本です。

 原因のタイプ別にチェック表がついているので、自分自身のタイプを判別した上で、対処することができます。なにより精神論に拘泥せず、環境から変えることを主眼においています。環境を変えることはなかなかすぐできませんが、一度はじめて習慣にしてしまえば続くので、有用です。

印象的なくだり
 起きてから14-15時間後に眠気を誘う睡眠ホルモンが分泌されはじめ、その1-2時間後に眠たくなります。
つまり、「夜眠くなる時間は、その日起床した時間で決まる」のです。
布団の中でもんもんとする状態に陥らないためには、「早起きをするために早寝をする」という発想を捨て、「ぐっすり眠るために、まずは早起きをする」という発想を持つべきなのです(P5)。
 そもそも、いい睡眠がとれないようでは、仕事で自分の能力を最大限に発揮することはできません。それどころか、健康を害したり、肌が荒れたり、寿命を縮めることにもなりかねません。
 そうならないためにも、すっきりと起きられない状態が続いているようなら、あえて何かを「捨てる」ことです(P82)。

今日から実践しようと思ったこと
 入眠儀式:この心の準備が眠りを誘う
1.「明日やること」を書き出しておく
2.1日であった「よかったこと」を3つ思い出す
3.明日「着ていく服」「持っていくもの」を準備する
4.枕に向かって「起床した時間」をとなえる(P78)
 寝室を「つねに仕事やストレスのない状況でいられる空間」にしておくのです(P201)。

センセイの鞄

センセイの鞄
川上 弘美

読後の感想
 居酒屋で高校の先生に十数年ぶりに再会したところから始まるセンセイとの物語。大きな出来事もなく、ゆったりとした時間の流れを楽しめる小説でした。

 登場人物の心情と、景色・風景の描写の対比が見事。人物の気持ちを上手に他のものに置き換えて表現しています。言霊が透明感のある単語が多く、読んでいて心地よい。

 洋風の忙しい小説とは異なり、和風の穏やかな文章といった印象。穏やかな割には一文が短くリズミカルで読みやすい。

 実は最後まで読みたくはない作品。中盤あたりの流れをずっと繰り返したくなる。しかし、現実は「ずっとこのまま」なんてことはない、ということが最後の編「センセイの鞄」で強く感じた。

文才を感じたくだり
「しまった、と強く思った。うかつだった。うかつだったが、いやでもない。いやでもないが、嬉しくもない。嬉しくもないし、少し心ぼそい。」(P138)

知らず知らずのうちに「朝型人間」になれる方法―誰でも100日間で自分を変えられる

知らず知らずのうちに「朝型人間」になれる方法―誰でも100日間で自分を変えられる
税所弘
ISBN4-06-208798-7

読後の感想
 本書全体にわたって、早く起きることはいいことだ、という内容が繰り返されてるだけで、肝心な「方法」については最後に少し触れられているだけ。
 方法論についても、かなり精神論に傾倒しており、著者以外余り役に立つとは思えない記述が多い。
 若干他人の引用が多過ぎる気がする。

実践してみようと思ったくだり
「朝歯磨きをする時、左手で歯ブラシを握る」という部分。
「ふだんとは違う手で歯磨きをすることによって使い慣れない筋肉を意識的に動かすため、右脳と左脳のバランスがとれ、脳を全体的に活性化させる効果がある」(P157)。
 効果の真偽の程はさておき、面白い発想だと思った。

こころの処方箋

こころの処方箋
新潮社
河合隼雄

読後の感想
 肩肘の張らないエッセイが沢山詰まった本。
 ゆっくり自分のペースを守りながら読める本です。いつの間にかいろいろなことを考えるようになります。

印象に残ったくだり
「男女は協力し合えても理解し合うことは難しい」というもの。難しいことが分かっていれば、少しずつ努力しようか、という気になるものである。オススメの一冊です。