『朝10時までに仕事は片づける―モーニング・マネジメントのすすめ』

『朝10時までに仕事は片づける―モーニング・マネジメントのすすめ』
かんき出版
高井伸夫

読後の感想
早起きの効用、いいところを書いた本で、内容自体は同旨の本と大差はありません。
ただ文章は平易で読みやすく、簡潔です。
さすが『3分以内に話はまとめなさい』という本を書いているだけあります。
全体として、伝えたいことが多すぎるために早起きの効用が薄れてしまった感があります。
具体的な方法があれば、なおよかったですが。

印象的なくだり
口頭で指示するのと、書面にするのとでは、相手に与えるインパクトがまるで違うのです。
口頭でいわれ耳だけで聞いたこと、とかく忘れやすいし、正確に伝わらないことも多いものです。
それが書面だとはっきりと伝わる。そういうメリットがあります。
また、コピーで渡し原本を日誌として保存しておけば、「いつ、誰が、何を、どう指示したか」が記録として残ります。
記録があることは、言い訳がしにくくなる。
これだけでも部下の動きが違ってくるはずです。
(中略)一つ留意すべきことは、必ず返事をもらう形にしておくこと(P018)。

夜型の人とのつきあうコツは、別れた後にあります。
お礼を伝えるツールとしては、携帯、メール、手紙いろいろありますが、相手が夜型の人の場合、別れた直後にまず携帯を使うのが意外と有効です。
今日会って一番楽しかったことを思い出しながら一言お礼を言う-これは誰でもやっていると思います(P060)。

早起きの人を見つけて真似をするのもいい
その場合に注意すべきことは、外見を真似ることに重きを置くことです。
「なぜですか」とか「どんなメリットがありますか」などと聞いてはいけない。
聞くなら「どうやっているのですか」とあくまで具体的なことに絞り込むのです(P105)。

一つは「隠せない時代」になったということです。
なぜなら、これらの企業の不祥事が明るみにでるきっかけは内部告発だからです。
インターネットの時代は、企業がいくら秘密を隠そうとしても、知っている内部の人間が一人でもその気になれば、世界中にバラせる。
百パーセントの秘密保持は難しいということです(P154)。

過去に読んだ類似の本と感想
『早起きは自分を賢くする』船井幸雄 感想はこちら
『「朝がつらい」がなくなる本』梶村尚史 感想はこちら
『朝からシャキッと仕事ができる!2倍熟睡法』井上昌次郎 感想はこちら
『朝の知的生活術』現代情報工学研究会 感想はこちら

過去に読んだ同じ著者の本と感想
『3分以内に話はまとめなさい』感想はこちら

『朝の知的生活術』

朝の知的生活術
講談社
現代情報工学研究会

読後の感想
 多くの事例を紹介しているのですが、伝聞が多く、あまり説得的ではありませんでした。
 早起きの効用という結果ではなく、方法・手段についての記述があればもっとよかったのになぁと思いました。
 文章は分かりやすく読みやすいです。
何で早起きがいいのか?と思っている人には有用だと思いました。
 研究会名義になっていますが実際の執筆は、松本薫さんお一人でされているみたいです(取材は他の人も加わっているようですが)。

印象的なくだり
豪華な朝食は、家族のきずなを深める要は、お互いが一緒にいて楽しい時間をつくればいいんです。
その点、朝食をおいしくすることは、かなりの効果があるはずです(P149)。

どんなに無理をしたところで、自分に与えられた時間が増えるわけではない。
減るわけでもない。
だとしたら、その与えられた時間内での自分の人生の過ごし方を、客観的に見直してみることがスタートだ(P222)。

過去に読んだ類似の本と感想
『早起きは自分を賢くする』船井幸雄 感想はこちら
『「朝がつらい」がなくなる本』梶村尚史 感想はこちら
『朝からシャキッと仕事ができる!2倍熟睡法』井上昌次郎 感想はこちら

「朝がつらい」がなくなる本

「朝がつらい」がなくなる本
梶村尚史

ISBN978-4-8379-7635-6

読後の感想
 睡眠に関する本の割には、理論的な部分は少なく、実践的なものが多いので、本当に困っている人には大いに参考になる本です。

 原因のタイプ別にチェック表がついているので、自分自身のタイプを判別した上で、対処することができます。なにより精神論に拘泥せず、環境から変えることを主眼においています。環境を変えることはなかなかすぐできませんが、一度はじめて習慣にしてしまえば続くので、有用です。

印象的なくだり
 起きてから14-15時間後に眠気を誘う睡眠ホルモンが分泌されはじめ、その1-2時間後に眠たくなります。
つまり、「夜眠くなる時間は、その日起床した時間で決まる」のです。
布団の中でもんもんとする状態に陥らないためには、「早起きをするために早寝をする」という発想を捨て、「ぐっすり眠るために、まずは早起きをする」という発想を持つべきなのです(P5)。
 そもそも、いい睡眠がとれないようでは、仕事で自分の能力を最大限に発揮することはできません。それどころか、健康を害したり、肌が荒れたり、寿命を縮めることにもなりかねません。
 そうならないためにも、すっきりと起きられない状態が続いているようなら、あえて何かを「捨てる」ことです(P82)。

今日から実践しようと思ったこと
 入眠儀式:この心の準備が眠りを誘う
1.「明日やること」を書き出しておく
2.1日であった「よかったこと」を3つ思い出す
3.明日「着ていく服」「持っていくもの」を準備する
4.枕に向かって「起床した時間」をとなえる(P78)
 寝室を「つねに仕事やストレスのない状況でいられる空間」にしておくのです(P201)。

知らず知らずのうちに「朝型人間」になれる方法―誰でも100日間で自分を変えられる

知らず知らずのうちに「朝型人間」になれる方法―誰でも100日間で自分を変えられる
税所弘
ISBN4-06-208798-7

読後の感想
 本書全体にわたって、早く起きることはいいことだ、という内容が繰り返されてるだけで、肝心な「方法」については最後に少し触れられているだけ。
 方法論についても、かなり精神論に傾倒しており、著者以外余り役に立つとは思えない記述が多い。
 若干他人の引用が多過ぎる気がする。

実践してみようと思ったくだり
「朝歯磨きをする時、左手で歯ブラシを握る」という部分。
「ふだんとは違う手で歯磨きをすることによって使い慣れない筋肉を意識的に動かすため、右脳と左脳のバランスがとれ、脳を全体的に活性化させる効果がある」(P157)。
 効果の真偽の程はさておき、面白い発想だと思った。