「銀行強盗集団 Uncertainty Principle」

Numbers 第二話

のっけから解決しているようなオープニング。
今回の犯罪は銀行強盗。
マナーが良い強盗で?今まで何箇所も銀行を襲っているのに、被害はお金だけで怪我人も出ていないのでマナー教室ボーイズと呼ばれている彼ら。

弟君ことチャーリーはランダムに見えた被害にあった銀行から、次に襲われる場所を予測してFBIが待ち伏せして犯罪解決か、と思われたが、実は、というのがあらすじ。

実はマナー教室ボーイズは特殊部隊出身で人殺しは何とも思っておらず、本当の狙いは銀行のお金ではなく、別のところにあった、というのがきっと面白さのはずなのですが、僕が面白く感じたのはハイゼンベルグの観察者効果のお話。

ざっくり書くと観察者が観察対象に影響を与える、というこのお話ですが、襲う銀行を一度先回りされた彼らは、それまで定期的だった強盗の機会を替え、逃走経路まで用意した上で犯行に及びます。
で、それを逆に利用して逮捕しようぜ、という操作方法が不確定性理論に掛かっているわけですね、どうも。

こういう学問へのオマージュというか、きちんと裏を取りつつ話を進めていくあたりが、僕がこのドラマシリーズが好きな理由だと思います、きっと。

ちなみにこの話から、単純なFBIの犯罪解決ドラマではなく、兄弟や家族の話を絡めはじめました。
そのせいか話の広がり方がぐっと増えたように思います。

家族愛はやっぱりアメリカの連続ドラマの醍醐味ですね(そうか?

「数字がすべて Pilot」

Number第一話
オープニングのアルファベットと数字が交錯しながら登場する映像が、何とも近未来的でしびれます。
攻殻機動隊やマトリックス好きなら、オープニングだけでも是非。

話はどうやらFBI所属の兄の事件を、数学者である弟が数学で(理論で)解決するというもの(らしい)。

第一話は、連続レイプ犯が被害者に焼印を押していくという猟奇的事件のお話。
弟は最初、次に事件が発生する場所を探そうとしていたのですが、スプリンクラーから落ちた水滴を見て
逆に、水滴の落下地点は予測できないが、スプリンクラーの場所はある程度予測できる、という理屈で、
犯人の家を突きとめよう、と考えつきます。
ところでいつの間にか勝手にFBIに出入りしてるけど、いいのか?(守秘義務的な何か)

で、結局理論通りに捜査してもうまく犯人を見付けられず、捜査から外される兄。

弟は師匠に相談したら「人間の心理なんて、厳密には分からない」と言われる始末。

ターニングポイントは、「犯人の犯罪以外の部分も見ろ」という父親の言葉。

言われてみれば当たり前ですが、犯人にも犯罪以外の生活が有る、ということで、家という一点を起点にするのではなく、家と職場という二点を基点にしたら無事に場所がかなりの精度で特定できた、というもの。

数学的な知識はなくても(おそらく分かりやすく噛み砕いてはいるので)楽しめるタイプのドラマです。

ワーカーホリックの兄と、数学バカの弟というずっこけぶりが、見ていて安心でき、この手のドラマにありがちな憎しみとか嫉妬とかが余り出てこないような気がします(まだ一話しか見てないけど
というわけで、これは続けてみたい作品ですね。

ちなみに、弟の師匠(的役割)の物理学者は24で大統領補佐官役のピーター・マクニコルですよ。
どっかで見たこと有ると思った…

どっとはらい。

『ラーメンガール』

感想
ラーメンガール

な、なんだろ、この違和感は。
本当にどこで笑えばいいのか、ここは狙っているのか?と考えながら見てました。
この手の、食べ物を扱った映画は大好きで、よく見るし、
いわゆる主人公が苦労しながら成長していく話も大好きなのに、何故か二つ混じるとダメだった。

良くも悪くもアメリカ人が監督で脚本で、日本を舞台にえいやっと撮ったら出来ました、的な映画でした。

主人公の彼氏役が、設定で韓国ルーツだったりするのはなんでかな?と思ってましたが
後で調べると俳優さん自身が韓国ルーツだと知り、なるほどそのディテールは凝るのに
彼氏の部屋に雛人形や女性ものの単衣が飾ってあるのはスルーなのも、きっと罠ですねw

おそらく僕が感じている違和感の原因は、味や理屈の話がほとんど登場せず
魂やら愛情などがラーメンの重要な要素になっているという描き方だと思います。
未だにステレオタイプ「日本人」ってこんな感じなの(それとも一周して、皮肉として描いているのか)。

ちょっと発見だと思ったのは、外国人目線では、ラーメン作る人も職人なんだな、ということ。

あとは山崎努は仕事を選ばない(仕事人だ。

西田敏行さんと余貴美子さんのコンビって『椿山課長の七日間』でも思ったけど
僕的には最高の組み合わせだ~。

「アルマゲドン」Armageddon

「アルマゲドン」Armageddon

感想
コメディ映画?
アメリカさいこ~、その他は知らん、ってな感じでどんどん進んでいきます。
最終的には地球は救われますが、パリとアジアの何処か(中華圏の都市)は消滅してしまっていますが、アメリカが無事なら全く問題ない、と(フォロー全くなし
ところどころに無理やり笑いを入れようとするのが、また却って笑えないのは文化の違いなのでしょうか?(博士の異常な愛情とか、宇宙ステーションをわざわざ壊すところとか

一行で要約すると「地球の危機をブルース・ウィリスが救う(BGMはエアロスミス)」。

父親が無くなったのにチャイナドレスはないだろうに…

一緒に見ていた細君が「アルマゲドンのスペルって、Dが二つなんだぁ」と呟いていた点以外は
特に得るものはありませんでした。

どっとはらい。


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『リンダリンダリンダ』

「リンダリンダリンダ」

映画を観る前の印象だと、女子高校生がバンドを組んで
ブルーハーツをやるんだろうと思っていましたが、まぁその通りでした。

というか、「けいおん!」の実写版みたいなのを
想像してたらめちゃめちゃ甘酸っぱくてびっくりしました。
ところどころで、「涼宮ハルヒの憂鬱」のライブアライブと似た描写があり、
時間軸でこっちが元ネタなんだなぁと少し感激しました。
こういうオマージュが好きです。

それにしてもエンドロールが流れた瞬間、
「え?!終わり」とびっくりするくらいの流れでした。
伏線を張りまくりなのにいっさい回収せず行く姿は
よくよく考えると青春そのものなんでしょうかねぇ(どうでしょう

結果として、あれやこれやと手を出しながら、
最後は盛り上がってお終いという後味すっきりの力業(ちからわざ)は
高校を舞台にした青春映画そのものである意味心地よいのですが、
ゆえに前田亜季のかわいさと
ソン役のぺ・ドゥナの演技力だけが引き立ちすぎて、
それ以外が残念な感じでした
(香椎由宇って監督のニーズ通りの優等生なのは演技が上手すぎるから?

いや、ほんとにぺ・ドゥナの演技はぞくぞくします。
正面から見据えた場面とか、真夜中に体育館のステージで
一人語りするシーンなどは本当に圧巻です。
演技力って言葉じゃなくて、ノンバーバルな全てなんだなぁと実感しました
(というかさせられました。

撮影が長回しが多くて、視覚的にも楽しく観れました。
この山下敦弘監督のアングルはなんか好き。
話が進むと少しずつ人間関係がほぐれていって、
呼び方も○○さん、から、○○、と呼び捨てになるところも好き。
なんかそういう細かいところがほっこりします。

そうそう、ブルーハーツの甲本ヒロトの弟、
甲本雅裕が出てきた瞬間に負けました、反則です。
ずるいよ。
見終わってから「終わらない歌」を聞き返しました。

そんなわけで単純に面白かったです。
あと深層心理で百合的な何かを期待してしまう自分の感性は
どこか間違っている気がします。

おしまい