『詭弁論理学』

『詭弁論理学』
中央公論新社
野崎昭弘

読後の感想
タイトルが面白そうだったのですが、あれ?普通の論理学の本でした。しかも説明を簡潔にしようとしすぎたのか、すこぶる薄い。事例式で楽しく読めるのですが、それ以上ではありませんでした。詭弁というほど、詭弁は出てきません。

印象的なくだり
なお、「ゲーテはすべてのことをいった」という冗談もあるくらいで、名前でおどろかそうとするときには、ゲーテは便利な人物である(P051)。

若者たちを悩ませる煙の代表は、「ほんとうの」「絶対的」「本質的」などという、深遠でしかもどこにでも使える言葉であろう。これらがいかに詭弁的であるかは、言葉の意味がぼかされて、結局は「いいように」あしらわれてしまうことからわかる。たとえば「愛」という言葉について考えてみよう。相手の考えに反対したければ、「ほんとうの愛っていうのは、そんなものではない」といえばよい(P071)。

『若者はなぜ怒らなくなったのか―団塊と団塊ジュニアの溝』

『若者はなぜ怒らなくなったのか―団塊と団塊ジュニアの溝』
中央公論新社
荷宮和子

読後の感想
感じたことを脊髄反射でレッテルを貼って書かれた印象。どのお話も結局団塊の世代に責任が帰着してしまう。P084とP131が一言一句そのままなのは、見間違いかと思った(笑)。ずいぶん手抜きなんだなぁ。
まとめると、「妙な前例を作ると後の者が迷惑」ということらしい(P216)が、それこそこの人の一番嫌っている右へ倣えの考えじゃないの?自分の反対する考えが根拠になってるのはどうなんでしょ?(笑)はっきり言って読む価値に乏しいです。201ページのくだりは反面教師としての意味合いで覚えておこうと思いました(笑

印象的なくだり
「想像力の欠如」のせいで、「(やる気はあるのだが)どんな努力をすればいいのかが思い浮かばない」→「いざ、実際にやらなければならない事柄を示されると途端に挫折する、やらなければならないことをアドバイスしてくれた人のことを逆恨みする」という、「近ごろの若いもん」の特質がこういったところからうかがえるのである(P051)。

が、最近ようやく私は気付いた。ああそうか、「近ごろの若いもん」は、「何度も同じ感情を味わいたい」からこそ、同じソフトを何度も見るのだ、ということに。
つまり、「近ごろの若いもん」は、「見直す度に新たな発見がある喜び」を味わうためリピートするのではなく、「一度見ただけですべてが了解できてしまう類の「わかりやすい面白さ」」を何度も味わうためにリピートしているのである。アニメであれ、映画であれ、テレビドラマであれ。「あの気持ちよさをもう一度」、というわけだ。
映画やドラマを見る時でさえ、「物事は、見方を変えれば違って見えることがある」という考え方と無縁でいる人たちが、現実の人間や出来事に対応する際に、「見方を変えれば違って見えるかも・・・・・・」という考え方をもてるわけがない(P091)。

「人を見下すのは確かに気持ちがいいけれど、その気持ちよさと同じくらい、自分のことがイヤになっちゃったりもするよ」、と。
「見下す快感」と「自己嫌悪による不快感」。
両者を天秤にかけた場合、後者のほうが大きいために、コスト・パフォーマンス的には決しておいしくない結果となる、ゆえに、「人を見下すのはやめよう」、これこそ、日本人にとっての「戦後民主主義」だったはずである。
そう「善悪」の区別と言うよりも、むしろ、「損得」の問題として、「差別」をなくそうとする。
これこそが、日本人のやり方だったはずなのだ(P201)。

『となりのクレーマー―「苦情を言う人」との交渉術』

『となりのクレーマー―「苦情を言う人」との交渉術』
中央公論新社
関根眞一

読後の感想
著者が実際に体験した事例を元に、色々なパターン分析をしています。「誠意を見せろ」のコラムは深く考えさせられました。サービス業である以上、正当なクレームは歓迎すべきでしょうが、正当か不当かの分水嶺は極めて曖昧なので注意し、かつ早めに判断することが肝要だなぁと思いました。

印象的なくだり
なお、「そううつ」傾向の方の苦情はよく受けましたが、陽気なときのほうが、私はやりづらかったです。「うつ」のときに、先方の気分をよくする話法は難しくありません。しかし、「そう」は、ちょっとでもおかしな話をすると突っ込まれます。話すときは、注意が必要で、言葉を充分に吟味しなければならないのです(P029)。

「替わっていない」「いや、替わっている」の、どちらにも証明できるものはないのですが、そうなると預かったサービス業の側は不利です。絶対不利なのです。「分からないときはお客様の言い分が正しい」のですから(P064)。

別の者が出てきても、なるべく当事者と話すようにする(P072)。

別のヤクザとの交渉のなかで、こんな言葉を聞いたのを最後に紹介しておきましょう。
「関根さん、俺たち輩みから見たら、百貨店に働く関根さんたちは超エリートの人間に見えるんだよ。だから燗に触る言葉には、異常な反応を示したくなる。分かってくれよな」
同じ人間同士、心を開けば、相手も普通に応じてくれることは多いのです(P073)。

「誠意を見せろ」に要注意
よく言われる言葉に「誠意を見せろ」というのがあります。
そんな場合は、どういう答えをしても「それだけか」という言葉がついてきます。
そんなときは、遠慮なく「誠意」の見せ方を、逆にお客様にお尋ねしましょう。自分からは「何々をする」などと絶対に言わないことです。
だいたい「誠意を見せろ」とは、本来ヤクザが使う言い方です。この頃は素人でも平気で使います。いやな時代になりましたね(P193)