センセイの鞄

センセイの鞄
川上 弘美

読後の感想
 居酒屋で高校の先生に十数年ぶりに再会したところから始まるセンセイとの物語。大きな出来事もなく、ゆったりとした時間の流れを楽しめる小説でした。

 登場人物の心情と、景色・風景の描写の対比が見事。人物の気持ちを上手に他のものに置き換えて表現しています。言霊が透明感のある単語が多く、読んでいて心地よい。

 洋風の忙しい小説とは異なり、和風の穏やかな文章といった印象。穏やかな割には一文が短くリズミカルで読みやすい。

 実は最後まで読みたくはない作品。中盤あたりの流れをずっと繰り返したくなる。しかし、現実は「ずっとこのまま」なんてことはない、ということが最後の編「センセイの鞄」で強く感じた。

文才を感じたくだり
「しまった、と強く思った。うかつだった。うかつだったが、いやでもない。いやでもないが、嬉しくもない。嬉しくもないし、少し心ぼそい。」(P138)

秘密漏示

 昨日、ちょっと聞かれた話の補足。

<引用>
 奈良県田原本町の医師(48)宅で3人が死亡した家族放火殺人をめぐり、少年院送致となった長男(17)らの供述調書を引用した本が出版された秘密漏えい事件で、奈良地検は14日、ジャーナリストに調書を見せたなどとして、刑法の秘密漏示容疑で、長男の精神鑑定をした音羽病院(京都市)医師崎浜盛三容疑者(49)=同市左京区下鴨西本町=を逮捕した。調べに対し「間違いありません」と容疑を認めているという。
 地検は、本の著者でジャーナリストの草薙厚子さんからもこれまで任意で事情聴取をしており、刑事責任の有無について慎重に捜査を進める。
 この事件では、草薙さん宅や事務所が関連先として、9月14日に家宅捜索を受けた。取材対象者が秘密漏示容疑で逮捕されたのは異例。取材、報道の自由への影響や少年法、プライバシー保護の観点から論議を呼びそうだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071014-00000011-jij-soci

聞かれた疑問。
 秘密を漏らした医師が捕まるのは分かるけど、聞いたジャーナリストはどうよ?

 秘密漏示罪(刑法第134条)は、秘密を漏らすほうと秘密を聞くほうが必要な犯罪なんだけど、刑法が秘密を漏らしたほうだけ構成要件として規定していることから考えると、秘密を聞いたほうを罰しない趣旨なんだろうと(同様に、わいせつ物頒布・販売罪も、売ったほうは罰せられるけど、買ったほうは罰せられない)。

 じゃあ、この草薙厚子っていうジャーナリストは罰せられないか、というとちょっと疑問。まぁ、考えられるのは、医師に執拗に秘密を漏らすように働きかけたとかで、教唆犯とかでは十分考えられるんじゃない?と思う。昨日話した共犯の件は厳しいと思う(別に二人で同一構成要件を充足する行為をしたわけではないので)。秘密を漏らしてはいけないという法益を侵害する行為態様が異なるだけで、難しい問題が生じるんだなぁ、と遠い目。

 ただ、秘密漏示罪は抽象的危険犯で、相手に到達すれば「秘密を知ったのか知らないのか」は問題とならないわけで、その意味で言うと、やっぱり漏示したほうを厳罰に処す趣旨なんだと思う。

 それにしてもこのジャーナリスト、名前のインパクトもさることながら、結構偏った人だなぁ。理由はどうあれ、この人のやったことは表現の自由を享受するに値する行為とは言えないと思う。

 秘密ってのは、知られていないからこそ価値のあるものであって、一度世の中に出てしまったら、取り返しの付かないものである。

 ちなみに、秘密漏示罪は親告罪で、今回も長男と父親から告訴されてた。ってことは、やっぱり保護法益は個人的法益なのね(ま、条文の場所からも当たり前か)。

参考にしなくてよいリンク

草薙素子
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8D%89%E8%96%99%E7%B4%A0%E5%AD%90

草薙厚子
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8D%89%E8%96%99%E5%8E%9A%E5%AD%90 

体重計測

 結構いい体重計を買って一年たつのに、全然利用できてません(挨拶

 そこで一念発起して体重計を使いこなしたい。今までの気の向くままの体重計測と異なり、今回は「定期的に」「条件をできる限り同じにして」計測。より精度の高いデータが得られるのです。何に使うか決めてないけど。

条件
一、毎週月曜日起床してすぐ計測
一、前週比、前月比を出せるように
一、できるだけ適切な理想値を決める

で、書いてみてよく分からないのが、理想値。

 体脂肪率とは、体重のうち、体脂肪の重さが占める割合のことで、男性は14%から20%が平均値らしいから、そのあたりで。あとお腹のたるみを少し取りたいなぁ。

<引用>
 骨格筋率とは、体重のうち、心筋(心臓を作っている筋肉)、平滑筋(内臓を作っている筋肉)を除いた骨格筋の占める割合。骨格筋は「運動などにより増やせる筋肉」で,骨格筋率の数値が高いほど「筋肉質な太りにくい身体」といえる。

あんまり高ければいいってものでもなさろうだねぇ。

http://www.nikkeibp.co.jp/style/secondstage/manabi/medicalcare_060830.html

体重 54.5kg (前週比+0.1kg)
BMI 20.0 (前週比±0)
体脂肪率 14.5% (前週比-1.9%)
基礎代謝 1384 (前週比+9ポイント)
骨格筋率 35.3% (前週比+0.6%)

知らず知らずのうちに「朝型人間」になれる方法―誰でも100日間で自分を変えられる

知らず知らずのうちに「朝型人間」になれる方法―誰でも100日間で自分を変えられる
税所弘
ISBN4-06-208798-7

読後の感想
 本書全体にわたって、早く起きることはいいことだ、という内容が繰り返されてるだけで、肝心な「方法」については最後に少し触れられているだけ。
 方法論についても、かなり精神論に傾倒しており、著者以外余り役に立つとは思えない記述が多い。
 若干他人の引用が多過ぎる気がする。

実践してみようと思ったくだり
「朝歯磨きをする時、左手で歯ブラシを握る」という部分。
「ふだんとは違う手で歯磨きをすることによって使い慣れない筋肉を意識的に動かすため、右脳と左脳のバランスがとれ、脳を全体的に活性化させる効果がある」(P157)。
 効果の真偽の程はさておき、面白い発想だと思った。

こころの準備などいらない

 タイトルは、かかりつけの歯科医師さんの言葉、詳細は下記にて。

前回までのあらすじ風に。
 先週、右上奥の親不知の治療方針にて説明があった後、先生より「まぁ、歯ブラシが当たりにくいところだし、いつも磨けていないから同じところ何度も虫歯になってるんだよね」と言われ、「来週までに抜くか、治療するか決めてきてね」と言われてたワタクシ。
 答えは当然、治療。痛いのが嫌なのです。
 そんな決意を胸に、今日も歯医者に向かうのであった…(ナレーション終わり

本編
 本日午前中、某所にて。いつもどおり最近の話とか軽い雑談の後、治療に。

先生「で、どうする?親不知?」
自分「いやぁ、今回は治療しておいて、様子を見ようかと」
↑つまり何もしないってこと。

先生「そっかぁ。でも、前から言っているように、フクダくんの磨き方だと、その歯は磨けてないから食べかすが残って、また必ず虫歯になるよ」
自分「なんとか磨こうと努力しているんですけどねぇ、死角になってて」

先生「こういっちゃなんだけど、専門家としては抜くほうをオススメするねぇ」
自分「理解してはいるんですけどね(アレ?話の方向がおかしいぞ?」

先生「幸い、親不知は上の歯だし、下にかみ合う歯もないから、抜いたあとの影響は少ないよ」
自分「はぁ(ヤベヤベ…)」

先生「治療するとなると、削ってかぶせてと手間もお金も掛かるし」
自分「そうですねぇ…でも(適切な反論が見つからず)」

先生「また痛みが出て勉強に支障が出ても困るでしょう」
自分「…(やべ、ずっと先生のターンだ」

先生「まぁ、ここは思い切って抜いてみたら?」
自分「…そ、そうですねぇ…。」と言葉を濁し

なんとか今回だけでも逃げ切らないと、と思い

自分「じゃあ、次回までにこころの準備をしてきますんで、次回に…」

と先送り主義を貫こうとすると

先生「いやいや、こころの準備などいらないよ。麻酔が効くのに多くても五分、抜くのに二、三分。腕はここにあるから、あとは決断だけ」

先生カッコイイ(゚∀゚)ッ!!

自分「…お願いします。」

というわけで、現在痛み止めと胃薬を飲みつつ、止まらない血の混じった痰を吐いているのですよ。
それにしても、麻酔が効いているとはいえ、でっかいペンチで歯をゴリゴリと抜かれるのは、あんまり気持ちのいいものではないよねぇ。

で、先生曰く、こころの準備をしちゃうと、不安が却って大きくなるから、さっさと抜くのが精神衛生上良いとのこと。さっすが良く分かってらっしゃる。