潰れないのはさおだけ屋だけじゃなかった

潰れないのはさおだけ屋だけじゃなかった
リテール経済研究会・三銃士編・著
ISBN4-7966-5074-1

読後の感想
 会計学の話を簡単に書いたお手軽な本。文字が大きく内容も薄いため、読む価値は限りなくないに等しい。
 タイトルから分かるとおり『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』の二番煎じであり、劣化コピーの内容。
 幸いなことに内容が字が大きく内容が薄いため、読む価値がないことに気づく前に読み終えるだろう。暇ならどうぞ。

印象に残ったくだり
「一度使い始めたあとから交換品・消耗品・メンテナンスが必要な商材は、その後の利益を長期間保証してくれる」(P.026)

→だからプリンタは本体が安くても消耗品で元がとれるのか。
会費ビジネス、小額なので判断が甘くなる。
→携帯電話のコンテンツとか。
「宮内庁御用達」の看板は、一度でも宮内庁で使われたらその後使われなくなっても掲げられるものらしい(P.059)

「サービスは顧客を生み出す」
「もし商材が無料で無限ならそれは究極のビジネスモデルとなる」
「ブランドという付加価値が付けば価格競争にまきこまれない」
専門技術+緊急性のある商売は成り立ちやすい
→自転車のパンク修理、鍵の救急車など

誤報―新聞報道の死角

誤報―新聞報道の死角
岩波書店
後藤文康

読後の感想
 いまやほとんどの人は情報の多くを報道機関からのものに頼っている。その報道機関の情報が誤りだったら、と考えたら末恐ろしい。
 この本には、新聞報道の「誤報」と「虚報」について書かれている。あせり、慣れ、勘違い、思い込み、パニックが誤報を生み、功名心が虚報を生む。

 新聞報道は完全な真実ではないということを肝に銘じておかねばならない、信じすぎてはいけないということを再確認できる本でした。

ドラゴン桜3巻

ドラゴン桜3巻
三田紀房
ISBN4-06-328948-6

明日から実践できそうな文章

論理的な文章を書く際のテクニックとしてこのような順で書くといい。
1.論文の具体的なテーマを明らかにし、結論を短く説明する。
2.なぜそのようなテーマを取り上げたのか、どのような問題があるのか問いかける。
3.そのテーマについての一般的な意見を説明する。
4.問いを検討し、自分の主張が一般的な意見とどう違うか、具体例を挙げつつ説明する。
5.要点を分かりやすくまとめる。
一文ごとをわかりやすくするテクニックは
短い文にして修飾語をあまり使わず、主語・述語の関係をはっきりさせる。
こそあど言葉をできるだけ使わずに説明する
「だから」「なぜなら」「しかし」といった接続詞を利用して前後の文の関係を明らかにする(20限目)。

賭けに勝つ人嵌る人―ラスベガスと日本人

賭けに勝つ人嵌る人―ラスベガスと日本人
集英社
松井政就

読後の感想
 賭けに勝つには、という理屈っぽいことが書いてあるのかと思いきや、最初は経験談で次は運の話が書かれている。経験談はちょっと自慢が多い印象。

 ところが、第三部では打って変わって非常にいい文章が並ぶ。曰く、ギャンブルをしてはいけないタイプの人がかかれており、その指摘は非常に正しいと思った。

 ギャンブルに対して紳士的な態度で臨んでおり、非常に好感が持てる。そして、残念なことに本書を読んだ後、無性にギャンブルがしたくなる。

刑務官

刑務官
新潮社
坂本敏夫

読後の感想
 一般的に刑務所の中のことって、語られることが多くないので、その意味では、貴重な情報を多く得られた。かつて関わらせてもらった事件についても触れられており、もっと早く読んでおけばよかったと後悔した。

 著者が刑務官を勤めていたのは十年前のことなので、現在は本書のような運用をしているのかどうかは分からない。

 著者のやるせない感情はとてもよく伝わってきた。