『僕はパパを殺すことに決めた 奈良エリート少年自宅放火事件の真実』

 ようやく手に入りました。『僕はパパを殺すことに決めた 奈良エリート少年自宅放火事件の真実』草薙厚子著。

 それにしても、供述調書をもらした医師が逮捕され、絶版になったからといって、定価1500円の本が、ヤフオクで最高で1万5000円とはねぇ(終了日時10月16日21時18分)。そうやって値を吊り上げちゃうから、欲しい人が読めなくなるのが悲しい。

 今では大分値段は落ち着いて、アマゾンのマーケットプレイスでは5650円から(それでも随分高いけど)、ヤフオクなんかでは運がよければ3000円台から購入することができます。

 まだ一章を読み終えただけなので、きちんとした感想は書けませんが、思ったよりもきちんとしている内容のようです(ただの暴露本の類かと思ってましたが)。

レバレッジ・シンキング

レバレッジ・シンキング
本田直之

読後の感想
 シンキングというのは、本当は実践するためには何が必要なのか、という考え方を指しているのだと感じた。
 単なる考え方にとどまるのではなく、実行してこそ初めて価値がある、というのが全体の骨子。
 相変わらずサクっと読めてしまう内容でした。

実践できるくだり
 「やろうか、やるまいか」と考えると結局やらなくなってしまうので、どうしたら、そんなことを考えなくても行動できるようになるのか、物事を続けられるのか、近道を見つけて進むことができるのか、といったことを考える中で出来たのが、労力のレバレッジです。

 一つ目は、仕組み化です。そのメリットは再現性があって、繰り返せることにあり、一度構築すれば、次回から行動する際に毎回一から考えずに済みます。
 わたしは出張の際に何を持っていくかもチェックリストにしています(P049)。
 二つ目は、無意識化・習慣化です。
 三つ目は、KSF(キー・サクセス・ファクター)を見つけ出すことです。どんなに一生懸命効率的にやってもポイントがずれていたら、時間や労力の無駄になります。
 成果に結びつくにはどうしたらよいのか見極めが必要です。

 KSFを見つける能力は、どうしたら身につくのでしょうか。
 これにはある程度の経験が大切です。KSFを見つける能力は一定量の仕事の経験から身につきます。
 限界に達したところで見えてくるケースもあります。
 仕事をするときには、必ずKSFは何かを意識してください。
 他には、前例を調べる。
 うまくやっている先輩などに聞く。(P065)。

印象的なくだり
 ゴールを明確に描く最大のメリットは、選択力が身につくことです。
 自分にとって何が大切で、何が大切でないかがわかるようになります。
 余計なことをしなくなり、時間、労力、お金の無駄がなくなります(P029)。

 ちなみに、わたしはやるべき仕事を。他動詞的に「やらされる」という語感の「To Do」ではなく、「自発的に請け負った仕事」という意味のある「タスク」という言葉を用いています。
 これもアクティブとパッシブの発想です(P033)。

 「労力資産」「時間資産」「知識資産」「人脈資産」とこれらをパーソナルキャピタルと呼びます(P019)。

 ただ一つ注意してほしいのは、パーソナルキャピタルには目もくれず、マインドだけ高めてしまう人がたくさんいるということです。
 そういう人は、自己啓発をテーマにしたビジネス書を多読していることが多いようです。
 わたしも自己啓発書を読むのは好きで、良い本に出会うと、仕事仲間や友人に勧めるのですが、そうした中で、自己啓発書を読んでも成果が上がらない人がいることに気づきました。
 その理由は、マインドが高まってもパーソナルキャピタルを増やす努力をしていないから、思うような成果が上がらないのです。
 マインドは資産ではありませんので、残念ながら空回りだけしてしまうのです(P028)。

ニシノユキヒコの恋と冒険

ニシノユキヒコの恋と冒険
川上弘美

読後の感想

 ニシノくんのという男性について、様々な女性からの視点で表現された短編集。

 作者の川上さんの文章は、透明感たっぷりでまるで空気のような文章でした。読んでいて抵抗がなく、後味もない文章でした。
 しかし、その中にドキッとする毒がちょっぴり仕込んであり、たまにあたります。

 さまざまな女性の、違った視点で書かれており、またそれが時系列順ではないので、少しだけ混乱を招きやすかったです。

ドキッとしたくだり

 「許しあって、油断しあって、ほんのすこしばかり見くだしあって、ひとは初めて愛しあえるんじゃないだろうか。」(P088)

村上朝日堂はいかにして鍛えられたか

村上朝日堂はいかにして鍛えられたか
村上春樹
安西水丸

読後の感想

 村上春樹が書いたエッセイ集。ちょっとくだらないことからかなりくだらないことまでつらつらと書かれています。

 相変わらず肩肘の張らない文章で、隙間時間に少しずつ読み進められる文章です。その中でも少しだけユーモラスであり、少しだけ考えられる部分が混じっている内容でした。

 村上春樹の生活自体が何度も登場しており、非常にストイックな生活をしているんだなぁと感じました。

 本人の性格が色濃く表れているなぁと思う編は「文学全集っていったい何なんだろう」と「ペンネームをつけておくんだったよな、しかし」です。

テツはこう乗る 鉄ちゃん気分の鉄道旅

テツはこう乗る 鉄ちゃん気分の鉄道旅
野田隆

読後の感想
 ところどころ面白いと感じる部分はあったが、大半は著者の知識自慢といった内容の本でした。読み物として成立していません。

 テツ未満の鉄道好きに捧ぐとあるけど、用語の説明などがほとんどなく、不親切な内容でした。読み手への配慮や想像力が欠けている文章が多いです。

 時間などの表記は、縦書きだととても分かりにくいので多少の配慮があればなお良かったと思います。

 読むと知識は身につくとは思いますが。

知識になるくだり
 東京や大阪付近は古くから直流で電化され、この方式が地方へと延びていった。
 しかし、コストなどの関係で、九州、北陸、東北、北海道の国鉄(現JR)は交流で電化されたため、その境界では、特殊な接続方式によって直流と交流の切り替えが行われている(P103)。

デッドセクションが茨城県内にいくつかある理由

 石岡市に地磁気観測所があり、その近くで大量の直流電流を流すと地磁気データに影響を与えてしまうからである。
 それゆえ、常磐線の藤代以北、JR水戸線の小田林以東、さらには最近できたつくばエクスプレスのみらい平以北が交流電化されているのだ。
 さらに、近くの関東鉄道がいまだに電化されないでディーゼル路線なのも地磁気観測のせいだと理解して、大満足なのだ(P106)。