村上朝日堂はいほー!

村上朝日堂はいほー!
新潮社
村上春樹

読後の感想
 肩肘の凝らない、それでいて流し読みできず、読んだ後にちょっと考えるエッセイ集。昔に比べていまはこれでいいのか?→いやよくない→でもいいじゃないか、はいほー!ってのはクスリと笑えるけど、また考えさせられてしまう。

 「青春と呼ばれる心的状況の終わりについて」は、読んでいて鳥肌が立ちました。僅か四ページでこれほど書けるなんて素晴らしい。

特に印象に残った文章は「ジム・モリソンのための「ソウル・キッチン」」より。
「死者を讃えることは心地好い。それが若くして死んだ死者だとすればなおさらである。死者は裏切らず、反撃もしない。歳もとらず、髪も薄くならず、腹も出ない。彼らはただ静かに完全に死んでいるだけである。もし仮にあなたが彼らの死について飽きて忘れてしまったとしても、べつに問題はない。」

 ただ外国曲については、著者と同年代・同等の知識がないと辛いです。

おりこうさんおばかさんのお金の使い方

おりこうさんおばかさんのお金の使い方
幻冬舎
板倉雄一郎

読後の感想
 文章自体が読みやすく、身近な例を挙げて書かれているので理解はしやすい。
 ただ内容自体は薄く、その書き方も余り論理的整合性がないので、読み終わったあと著者の言いたいことだけを聞いた感じになる。

印象に残ったくだり
ポイントを貯めるという行為は、現金を支払って、その店でしか使えないポイントを購入するという行為に他ならないのです(P013)。

最も賢いポイントシステムの利用方法は、買い物のたびに、可能な限りポイント残高を少なくするように努めることです(P014)。

配当は、起業の株主価値の一部を取り崩すことによって行われます(P130)。

一流の仕事術―仕事を極めるための100の法則

一流の仕事術―仕事を極めるための100の法則
PHP研究所
山崎武也

読後の感想
 当たり前のこと当たり前のように書かれている本。でも、自分に置き換えて本当に出来ているかどうかチェックすると、実は余り出来てないことが多い。
 自分を反省させ初心に戻してくれる本です。

印象に残ったくだり
「勉強をしようと思っているのだが、忙しくて時間がない」というのは、単なる言い訳でしかない。「時間がない」という仮定を勝手に事実に仕立て上げて、それゆえに「勉強ができない」という結論が正しいと主張しているだけである。
 「勉強しようと思って」はいない。したくないから、その理由になるもので説得力のある「時間がない」という命題を探し出してきて、自分の都合がよいような文にしたのである。勉強をする気になれば、どんなに忙しくても、時間を見つけることは可能だ。本気で勉強をする気になっているかどうかの問題である(P124)。

行きそで行かないとこへ行こう

行きそで行かないとこへ行こう
新潮社
大槻ケンヂ

読後の感想
 大人になったら自分の価値観と会わないところにはめっきりご無沙汰になる、そこで自分のテリトリーをちょっと抜け出し行ってみようという本。この考えには共感した。

 素直な文体にはいつも率直さを感じてよい。ついついカレーライスが食べたくなる文章は秀逸。ホモ映画館は興味津々(でも多分行かないと思う)。

踊る中国人

踊る中国人
講談社
原口純子, 中華生活ウォッチャーズ

読後の感想
実際に中国に住んでいる著者が書いた、見たままの中国の記録。

 良くも悪くもありのままなんだろうなぁと感じた。大雑把というか情熱的というか。

 書かれているのは生活圏内の人々の様子で、暮らしぶりなどは良く分かり興味深かった。