アメリカ同時多発テロ事件

 もう六年前のことなのか。

 当時、渋谷の法律の予備校に通っていて、その講義が終わって家に帰ったあと、なんとなくテレビを見ていた。確かNHKだったと思う。ユナイテッドの175便が突っ込む瞬間を見た。これって現実なのかなぁと、非現実的なことを思った。

 戦争が始まるのかなと思った。で、なぜか市街地戦を想像して血の気が引いたのを覚えている。

 人生の中で唯一戦争が起こるかもしれないと思った瞬間だった。

『政治家の条件』森嶋通夫著 岩波新書

<引用>
 相手がたとえどんな悪人であろうとも、盗人にも三分の理があるのだから、善悪の間には幅広い灰色の中間地帯が残されているのが常である。
 さらにもっと重要なことは、「正義」の戦いがもたらす効果を慎重に分析しておかないと、極めて望ましくない事態が、「正義」から生じるかもしれない。
 政治家がその可能性を読み落としていたならば、「正義」のための戦いは極めて無責任な戦いになってしまう。
(中略)
 戦争をするかどうかという政治的ギャンブルに際して、正か邪かの観点からだけでなく、予見され得る結果に対して責任がもてるかどうかの観点からも、慎重に検討する必要がある。

刑務官

刑務官
新潮社
坂本敏夫

読後の感想
 一般的に刑務所の中のことって、語られることが多くないので、その意味では、貴重な情報を多く得られた。かつて関わらせてもらった事件についても触れられており、もっと早く読んでおけばよかったと後悔した。

 著者が刑務官を勤めていたのは十年前のことなので、現在は本書のような運用をしているのかどうかは分からない。

 著者のやるせない感情はとてもよく伝わってきた。

村上朝日堂はいほー!

村上朝日堂はいほー!
新潮社
村上春樹

読後の感想
 肩肘の凝らない、それでいて流し読みできず、読んだ後にちょっと考えるエッセイ集。昔に比べていまはこれでいいのか?→いやよくない→でもいいじゃないか、はいほー!ってのはクスリと笑えるけど、また考えさせられてしまう。

 「青春と呼ばれる心的状況の終わりについて」は、読んでいて鳥肌が立ちました。僅か四ページでこれほど書けるなんて素晴らしい。

特に印象に残った文章は「ジム・モリソンのための「ソウル・キッチン」」より。
「死者を讃えることは心地好い。それが若くして死んだ死者だとすればなおさらである。死者は裏切らず、反撃もしない。歳もとらず、髪も薄くならず、腹も出ない。彼らはただ静かに完全に死んでいるだけである。もし仮にあなたが彼らの死について飽きて忘れてしまったとしても、べつに問題はない。」

 ただ外国曲については、著者と同年代・同等の知識がないと辛いです。

おりこうさんおばかさんのお金の使い方

おりこうさんおばかさんのお金の使い方
幻冬舎
板倉雄一郎

読後の感想
 文章自体が読みやすく、身近な例を挙げて書かれているので理解はしやすい。
 ただ内容自体は薄く、その書き方も余り論理的整合性がないので、読み終わったあと著者の言いたいことだけを聞いた感じになる。

印象に残ったくだり
ポイントを貯めるという行為は、現金を支払って、その店でしか使えないポイントを購入するという行為に他ならないのです(P013)。

最も賢いポイントシステムの利用方法は、買い物のたびに、可能な限りポイント残高を少なくするように努めることです(P014)。

配当は、起業の株主価値の一部を取り崩すことによって行われます(P130)。

とても悲しい

橋下弁護士大反論!公開バトル要求

時系列順に要約すると
橋下弁護士が、山口県光市母子殺害事件の弁護人は懲戒事由に当たるととテレビで発言
弁護士会に懲戒請求多数→業務妨害?
被告人の弁護人四人より橋下弁護士に損害賠償請求
橋下弁護士がテレビで公開討論?要求

 もうね、橋下弁護士を見ていて悲しくなる。
彼はテレビ向きなので、公開の場での討論は望むところだろうけど、自分の土俵に引っ張り込むのはどうかと。対する被告人の弁護人はどんな人かは知らないけど、一般に弁護士ってテレビに向いてないと思う。
 特に専門職同士の議論って、「テレビでの」公開に適さないと思うんだよね(非公開がよいという意味ではない)、専門用語が飛び交うし。また、この場合の問題は、正しい正しくないというよりも、主義主張の問題なので、決して解決はしない。
 公開で議論をして意見を戦わせるメリットはないとは言わないけど、発言を曲解して、より混乱を招くだけのような気がするんだよね。
 世論というか、世間は、当然橋下弁護士の側に付くことを知りつつ、こういったことを言う彼にちょっとがっかり。

 これで、被告人の弁護人は、挑戦?を受けても受けなくても批判されるネタが一つ増えるわけで…、しなきゃいけないことが増えたことで弁護が遅れるわけで…、というスパイラル。