『パソコン用語語源で納得!―パソコンと英語に強くなる本』

『パソコン用語語源で納得!―パソコンと英語に強くなる本』
ナツメ社
藤田英時

読後の感想
タイトルの通り、パソコンに関連する知識が五月雨式に書かれているだけなので、興味を持っている人でないと読み進めるのが苦痛になってしまうかな、と思う。

印象的なくだり
アップルのロゴはなぜ一口かじられている?
以前は6つのカラーで色分けされていたが、今では単色になっている。
リンゴの右側が一口かじられていて、その部分がアクセントになっている。飽きのこないデザインだと思う。
それだけではなく、実は「シャレ」が隠されているのだ。
英語でひとかじりのことをbite(バイト)といいコンピュータの情報処理単位のbyte(バイト)にかけたもの(P044)。

過去に読んだ同じ著者の本と感想
『Windows終了するのにスタートとはこれいかに?―ふつうの言葉「新釈」でウィンドウズを理解する』 感想はこちら

『すべては一杯のコーヒーから―Short latte,tall cappuccino,and grande passion』

『すべては一杯のコーヒーから―Short latte,tall cappuccino,and grande passion』
新潮社
松田公太

読後の感想
熱い、熱いです、この人。
起業をしようとしている人なら一読すべき。
辛い時、苦しい時を乗り越える糧になると確信しました。
この本を読むと、何より自分を信じている人が一番強いと思うようになりました。自分もこんな人になりたいと思ってやみません。
何かを始める時に読み返したい一冊になりました。オススメです。

印象的なくだり
「夢」と「目標」は全く別物だと考えている。目標とは、具体的な計画に基づいて、自分の実生活の羅針盤として必要なもの。
一方の夢とは、たとえ具現性が乏しいとしても、思い描くだけで心が満たされるものだと思う(P007)。

一号店をつくるために、生まれて初めて七千万円もの大金を借りた。私は借用書に印鑑を押す前に、自宅近くのコンビニエンスストアを回った。
そしてアルバイトの募集状況と時給を調べ、一日十五時間働けば、三十年程度で借金の返済ができることを確認した。
別に失敗したからといって、命まで取られるわけではない。
後は自分の力を信じて、挑戦し、最後まで諦めないことだ(P140)。

私はマネージャーフェローたちにこう言っている。
「アルバイトフェローを叱るときは真剣に叱りなさい。そのとき、なぜ叱ったのか理解してもらうために、徹底的に理由を説明してください。そして、何よりもまずアルバイトフェローを好きになること。彼らに成長してもらいたいと心から思うことが大切なのです」
マネージャーとは、お客様だけでなくアルバイトフェローまでも愛さなければ務まらない仕事ということなのだ(P196)。

能力がある人と情熱がある人、どちらを採用するかと問われれば、私は迷わず「情熱がある人」と答える。
他の業界はどうか知らないが、タリーズのような飲食業では、情熱さえ持ち合わせていれば、人は必ず成長できると信じている。
飲食業では、商品と同じくらいにコミュニケーション能力が重要だと思う。
言い換えれば、どんなに能力が高くても、人が好きでなければ務まらない仕事なのだ。
私は常々、店舗のフェローに向かって「同僚もお客様も全員好きになろう」と言っている。
もちろん、誰しも周囲の人すべてを好きになるのは難しい。しかし、まずはそういう気持ちで人と接していれば、何かが変わると信じている。
フェローがお互いを好きになれば、店内のオペレーションがスムーズに運ぶようになるし、お客様を好きになれば、自然とサービスだってアップする。
行列で待たされてイライラしている人を見つけた場合も。その人が好きであれば、少しでも気分をほぐしてあげたいと思うだろう。
そうしたとき、フェローが話しかければ、行列待ちの苦痛だって和らぐというものだ
(P206-207)。

人は成長するための努力を止めてはならない。成長するのを止めたとき、つまり現状に甘んじた瞬間から、衰退が始まってしまうからだ。
どんなに物事が思い通りに進んでいようとも、その状況が永遠に続くことなど有り得ない。常に次を見据えて、備え、行動を起こしていく必要がある。
苦しい将来を想像して、悲観的な気持ちになるということではない。
自分が成功している素晴らしい未来を思い描き、楽しくまた緊張感を持って、次なる挑戦に向かって走り出すということだ
(P226)。

会社を始めて以来、嬉しいこと、悲しいこと、苦しいこと、楽しいこと、本当に様々なことを経営を通じて経験してきた。
以前から感じていたことだが、特にここ数年で痛感するようになったのは、人間の弱さである。ダイエットひとつ取っても一人でやり遂げることは難しい。
また、自分のミスや自分の弱さ、不出来を認められずに、言い訳をしたり、他人のせいにしたりする人がいかに多いことか。
この点は私も常に自戒している。だからこそ、たとえ会社が順調に成長していても、経営者として常に自分を追い込む姿勢が大切だと思う(P304)。

『Seldom‐illegal―時には、違法』

『Seldom‐illegal―時には、違法』
角川書店
坂本龍一

読後の感想
『ブレードランナー』や『ブラックレイン』など好きな映画の裏話もあり、また作っている人もたくさん登場するので最後まで楽しく読めました。
文章や話している内容からすると、坂本龍ーという人は大ざっぱでフラフラしているけど、それでいて繊細な人だなぁと感じました。
なんとなく外国に行きたくなる文章です。

印象的なくだり
どんなアーティストでも必ず持っているのは、本当に自分がやりたいクリエイティブな面と、ビジネスというものをどう共存させるかということでしょう。いままでぼくは自分の収入も知らなかった、税金いくら払っているかも……。だから最低、お金の流れだけはこれからは頭に入れとかなければいけない。紬かい経費、たとえばボールペンをいくつ買ったからいくらとかとそこまで知ろうとは思わないけれども、大きなお金の流れだけはね。どこに今どれだけあって、どういうふうに流れていくかだけはきちんと(P075)。

『ひとを<嫌う>ということ』

『ひとを<嫌う>ということ』
角川書店
中島義道

読後の感想
他人に嫌われたくない、でも他人を嫌ってしまう。他人を嫌いなのに、「嫌い」とばれると軽蔑され自分も嫌われる。
多くの人はこのように思って、感情をコントロールしているのでしょうけど、中にはこの偽善に耐えられない人もいる。
著者の中島さんはこういった考え方なんだろうなと感じました。
あるべきままの感情を受け入れる、人を好きになるように嫌いになろう、という思想は、そのままは受け入れられませんが、自分の考え方の一つの転換を生み出してくれました。
それにしても、作者の潔癖症には呆れを通り越して感心することしきりです。

印象的なくだり

私は諦めるほかないのです。そして、嫌われているといううことを大前提として、それを受け入れることしかないのです。
この残酷さの中で生きてゆくしかないのです。なぜなら、私自身も同じように振舞っているのですから。
日々、刻々と不特定多数の人々に冷たい「まなざし」を向けている。そして彼らを勝手に裁いている。彼らをさまざまな理由で嫌っている。
批判している。場合によっては、嘲笑している。見下している。軽蔑している。妬んでいる。非難している。
しかも、たとえ聞かれてもほんとうのことは言わないのですから(P027)。

とりわけ、嫌いな人とどうつき合うべきかは大きな問題です。まずは常識から。
ありとあらゆる言い訳を連ねて、その人に会わないように全身全霊コレ努め、ジワジワと当人にそれとなくわかってもらう方法。
私は意図的にこの安全な方法を採らないようにしています。
その生殺しのような残酷さ、しかもこれしかないという自己正当化のずるさに麻痺してしまいたくないからです。
相手を傷つけたくないからという素振りをしながら、じつは自分が傷つきたくないからであることは明瞭であり、しかも追及されたらいつでも「私がXを嫌っているなんてとんでもない」と言えるのですから。
その計算高さ、自己防衛のずるさに耐えがたい
(P029)。

誰でも、嫉妬が自尊心を骨抜きにする、つまり敗者であることを自認する感情であることを知っているのです。
それが、人々によって狭量な醜い感情とみなされていることも残酷なことです。
ですから、嫉妬に狂う人は絶対にそれを認めない。
「羨ましいなんて思っていない!嫉妬なんかしていない!」と叫ぶのです。ここで、嫉妬を認めたらすべてが崩れてしまう。もはや生きていけないのです(P096)。

誰でも知っていることです。
「愛と憎しみの原因が等しい」とは、エヴリーヌのように、かつて自分が愛していた夫の美点Pそのものが、憎しみの原因になるということ。
その場合「記述」が決定的に変わることが重要です。
かつて「如才ない」と意味づけていた夫の性格が「自己防衛」となる。
「用意周到」と意味づけていた性格が「狡猾」となり、「快活」が「軽薄」に変わるのです。
なぜ、この場合「嫌い」に拍車がかかるのか?それは、自分が夫を愛したことそのことに対する屈辱感を相手に全部ぶつけるからです。
自分がこんなに精神誠意愛したのに、相手は報いてくれなかった。
こうした惨めな境遇に突き落とした原因としての相手を激しく憎むのです。復讐の一種でしょう(P116)。

持てる者と持たざる者との会話(P129)

この場合、絶対にへりくだることはない。まして謝ることはない。
あなたは自己点検した結果何の落ち度もないのですから、どこまでも堂々としていればいいのです。
これは大層重要なこと。あなたが、あなたへの「嫌い」の理不尽さにもかかわらず、摩擦を避けようとして相手に服従することは何の解決にもならない。私の経験からしても、ますますその人との関係をまずくするだけです。
相手はますますあなたを理不尽な仕方で支配しようとするでしょう。
そして、あなたは納得して服従しているわけではないのですから、いつも不満と恨みによって全身が充たされ、それが重なって彼(女)の理不尽さにいつか耐えがたくなる。
そのうち、それが相手への新たな憎しみとなって、あなたは相手と一緒にいられなくなる。
あなたがそこを去らねばならなくなる。相手の思うつぼです(P138)。

若くから世に出たモームであればこそ、叙述は真に迫っています。彼はまたなかなか言えない真実を語っている。
成功は人々を虚栄、自我主義、自己満足に陥れて台なしにしてしまう、という一般の考えは誤っている。
あべこべに、それはだいたいにおいて人を謙譲、寛容、親切にするものである。
失敗こそ、歩とを苛烈冷酷にする(P152)。

私の「思想」は「ひとを好きになることと同様ひとを嫌いになることの自然性をしっかり目を向けよ」と書いてしまえば一行で終わってしまうほど簡単なものです(P188)。

『迷走地図』(上・下)

『迷走地図』
松本清張
新潮社

読後の感想
やはりお金と政治がからむ社会派小説が、松本清張の素晴らしさを最も引き出せると感じました。
特に、政治秘書の役割について、様々な含みを持たせながら進む展開や、登場人物が多いにもかかわらず、きちんと喋り方で個性を持たせ、さらに性格付けまで補うのは流石です。
速記、運転手、院内記者などの役割が物語の上で、ジグソーパズルのようにはまっていくのはゾクゾクします。
ただ敢えて苦言を呈するなら、秘書連盟の伏線の置きっぱなし具合と、最後はあんまり納得いきませんが…。

過去に読んだ同じ著者の作品
『共犯者』 感想はこちら