『10センチの思考法』

10センチの思考法
京谷好泰

読後の感想
経営者のお話と勘違いしたまま読み終えてしまいましたが、著者は経営者ではなく開発者。
極めて直感型の開発者で、まずは目標を作りその目標を達成するためにガンガンやるタイプ。
例えば、リニアを10センチ浮かす、というのも特に根拠はなく、1センチだと擦ってしまうから、一桁増やして10センチ、では10センチ浮かすためには何をどうすればよいのか?と突き詰めていくタイプでした。

まさに目的地をどこにする、と決断するタイプのリーダーです。
個人的にはちょっとだけ苦手なタイプなのです…。
そこが関係してくるのか否かは不明ですが、本書はカギカッコを多用し
連続で出てくるのですが、全部筆者の発言だったりします(独り言かッ)。

非常に読み手を選ぶ本。せっかく

人を動かすためのは、まず理解させなければならない。どうしてそういうことが必要なのか、ということが分からなければ、納得はできないだろう。古くなった食べ物に手を伸ばしている人がいて、「食べるな!」と怒鳴られるより、「それは古くなって痛んでいるから危険だよ」と言った方が、納得してやめてくれるのと同じである。相手の主体性をうながすのである。
理解がなければ、納得がない。納得がなければ、行動もない。まず第一段階の理解をクリアするためには、相手が分かる言葉で説明しなければならないのである(P109)。

といいことを書いていたりするのに、いわゆるモーレツ型で周りを困らせたり…。
いわゆるこの本を読んで真似をする中途半端に出来のいい秀才が、天才の真似をして痛い目に遭うパターンです、たぶん。

印象的なくだり

方法論とは、過去から生み出された理論であり、理論は公式でしかない。公式にあてはめて計算するなんて、そんなことは誰だってできる。マニュアル化されたものなのだ。
決断できないのは、マニュアルにとらわれすぎているのだろう。これまでの公式では、新しいものは生み出せない。過去の公式から新しいものを創ろうという考え自体、順序が違っている。理論はあとからついてくるものである。先にあってはならない(P016)。

これは一部は正しく、一部は間違っていると思う。
過去から学ばないと無駄なことをしてしまいがち。
失敗が蓄積されていない新しい分野ならアリの考え方かもしれないけど、決して一般化してはならないと思う。
端的に言うと、高度経済成長期だったから許された気がします。
もしくはリニアモーターカーという先端技術だったから。
今なら無駄と切り捨てられるでしょうし、そもそも過去のデータの洗い出しをすべきです。

自分の頭で考えてほしい。「これの一番元は何だろうか」「これはどうなっているのだろうか」という、素朴な疑問を持つようにすることだ。自分の頭で考える、哲学する習慣さえあれば、根幹は見えてくる。
つねに疑問符を掲げ続ければ、基礎能力は高まっていく。基礎力は、応用力も高めてくれるはずだ(P029)。

忠誠なら自分に誓え
私がニューヨーク郊外の研究所に通っていたのは、ちょうどベトナム戦争が激しい頃だった。ニューヨークでの日課は、朝のコーヒーショップ。ところがある日、カウンターでコーヒーを飲んでいると、隣の男が盛んにしゃべっている。
聞くともなしに聞いていたのだが、口角泡を飛ばしながら激しい政府批判をしている。そのうち私に向かってベラベラ不満をぶちまけてきた。初めのうちは話に付き合っていたのだが、そのうち私もめんどうくさくなって、こう言った。
「お前、そんなにこの国が気にいらんなら、出てきゃいいじゃないか。カナダでも南米でも、好きなとこへ行ったらどうだ?」
そのとたん、私はいきなりとまり木からひきずりおろされ、馬鹿力でズルズル引っ張って店の外へ連れて行かれた。私とはくらべものにならないほど大きな体つきをしたクソ馬鹿力の男である。喧嘩してもしょうがない、と腹を決めてついて行ったら、そこは駐車場である。
殴りかかってくるのかと思ったら、その男は自分の車を指さし、「見ろ!」と叫ぶ。
「俺はこの国を一番愛しているんだ。この国が大好きなんだ。いいか、俺は、いまの大統領が、政府が悪いと言っていたんだ。俺はこの国を出ていかんぞ、一歩も!」
彼の車には、アメリカの星条旗のステッカーが貼ってあった。
私は胸をうたれた。そして愛国心と忠誠心が別のものであることを理解した。
本当の意味での愛国心がアメリカの一般市民のなかにどのように根づいているのか、その具体的なかたちを思い知った気がした。
もし戦前の日本人のなかに、この男と同じ言動をする人間がいたら、まずまちがいなく「非国民」として排斥され、どこにも居場所はなかっただろう。当時、多くの日本人の胸のうちにあったものは「愛国心」と「忠誠心」だった。ところがこのふたつはときに混同され、また軍部やマスコミに利用されて、天皇に対する絶対服従的な意味合いを帯びて行き、忠誠心がすべてになってしまった。
しかし、これはおかしなことだ。愛国心と忠誠心は、一致するものではない。愛国心は国を誇りに思い、国を思って行動することである。ところが忠誠心は二心を持たず、国ために働くことが求められる。間違ったことでもいいなりになる危険性をはらんでいる。
本当に国を愛している人間ならば、そのときの政府が誤った道に進もうしているとき反対するだろう。前の戦争は、それが許されない時代だったのだ。忠誠心という耳に響きのよい言葉にすり替えられ、体制側に都合よく扱われていた(P051)。

優れたリーダーの周りには、人が集まる。ビジョンがはっきりしているからだ。プランが明確になっているから、他人を説得させられる力がある(P106)。

確かにビジョンを共有させるのは優れたリーダーの資質の一つだと思う。

「分からない」のは、「分かる」ための第一段階でもある。分からないからこそ好奇心が生まれてくるものだし、分かるために努力している間に、自分なりの答え、考え方、姿勢も生まれてくるものだ。
権威を恐れているのだろうか。
分からないことを悟られたら恥だとでも思っているのだろうか。
分からないことは恥ではない。分かった瞬間に、自分の知識になっている。分かり顔でその場を無難に過ごしていては、知識をつけるせっかくのチャンスを逃していることにほかならないのではないか。その場をしのいでも、分からないことを分からないままにしておくことの方が、よっぽど恥であることに気がついてほしい。分かり顔は、大きな損失を招く第一歩である(P132)。

自戒を込めて。

愚かな人は、目下の人間の意見を取り入れることは自分の沽券に関わると思ってしまうのだろう。表面的には賛成するようなポーズを見せるものの、決して素直に従おうとはしない。
「君の言うことも分かるけどね。なかなかそう単純にはいかないんだ」とかなんとか、問題や論点をはぐらかす。ちっぽけな権威主義に毒されているのだ。
ポーズで耳を傾けても意味がない。意見に真実があると思ったら、それを採り入れすぐに実行すべきだ。そうでなければ、目的を成し遂げることはできないだろう(P184)。

どんなに仕事が遅くても、その人の人柄が悪いわけではない(P189)。


クリックして頂けるとうれしくて更新頻度が上がります(多分)

『稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか?』

稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか?
亀田潤一郎

読後の感想
最近長財布を買ったので読みました(単純・・・。
まぁ、記憶にきちんと引っかかっていたのでタイトル勝ちですね。
内容はというと、誤解を恐れず十把一絡げに言うならば、よくある話だよね、というものでした。
お金を稼ぐ人たちに多く触れあう税理士という商売柄、クライアントたちの行動・習慣の共通項をくくりだし、行動・習慣からその意識下について探る、といった内容。
他の本と違うなぁと思ったところは、著者がひどい貧乏をした経験があるという事でしょうか。
記述は少ないですが、非常にリアルで実感が伝わってきました。
その分、他の記載にも「お金の厳しさとありがたさ」がヒシヒシと伝わってきている気がします。
僕も、まずは「財布のワンデイ・クリアニング」を実行していきたいとおもいます。財布の整理は今までやっていましたが、最後に布で拭くというのは実行していないメンテナンスだったので、とてもいいアイデアだと思いました。
それから、非常にユーモアのセンスがあり、楽しみながら実行が出来ることが多く書かれていたのが印象的でした(まぁ、僕にユーモアのセンスがあると書かれることが良いことか悪いことかは別にして、褒めてます)。楽しむことが一番長く継続できる要素ですからね。

ちなみに本書の中で度々登場する、ルイ・ヴィトンのタイガ。
たっかいなぁ。

印象的なくだり

常に心がけたいのが「財布のダイエット」。できるだけ財布をスリムに保ような努力をするのです。
私が日課にしているのは、一日の終わりに必ず財布をチェックし、中身を整理する習慣。名づけて「財布のワンデイ・クリアニング」。
いらないレシートは捨て、必要な領収書類は別の専用ファイルなどへ移します。
不要なポイントカードを受け取った場合にも、それを捨てます。ついでにお札の枚数と向き、順番がずれていたら揃え直す。
小銭もチェックし、五百円玉は「五百円玉専用貯金箱」へ、一円玉とご縁玉は募金用のペットボトルなどに入れます。
最後に、柔らかい布などで財布をサッと拭いて終了です。
こうすると常に財布をスリムできれいな状態にキープできます(P.031)。

仕事のクライアントと飲みにいった時などに、高級クラブのママやまわりの経営者の方の話を聞いてそのことを強く実感しました。
彼らは、ビジネスに携わる人たちのなかでも、とりわけつきあう相手によて経済的な影響をダイレクトに受ける仕事に就いています。だから、無意識のうちに「お金を引き寄せる人=稼ぐ人」かどうかを見極めるクセが身についている(P.032)。

お金に好かれる人は、むしろセールの時期を外して買い物に行きます。なぜなら、人がたくさんいるセール会場で金額や雰囲気に煽られて買うより、ゆったりとしたサービスを受けながら、本当に欲しいものを選んで買うことができるからです(P.039)。

お金がたまる人というのは、毎月いくらの収入があり、何に使うのか、1か月に最低限必要な生活費はいくらか、将来のためにいくら預金にまわすか、そのうえで1日に自由に使えるお金はおおよそいくらかなどを把握しています。
よって、「今目の前にあるお金の量」に惑わされることがないのです。思いがけない収入があっても急に太っ腹になったり、突発的な出費があっても慌てたりすることがありません。
お金の使い方を自分でコントロールできているから、お金に対する感情の起伏が非常に少ないのです(P.049)。

財布を新調したら、使い始める前に決まってやることがあります。
それは、財布に「お金の味」をしっかり覚えてもらうこと。
具体的には、使い始める前に3日間くらい、大金を財布に入れておくのです(P.051)。

これはとてもユニーク。
堂々とやるのはちょっとだけ恥ずかしのでこっそりやってみます。

買い物で絶対に損をしないための鉄則
「いざとなったら、買った価格の7割で売れるモノ」を買う(P.096)。

選択肢がないというのは、自由がないということ。
自由のない制限された生活が、いかに人をみじめにするか。人をいかに落ち込ませるかを、この時身をもって味わったのです。
「選択肢のない生活から、このみじめな生活から、何とか抜け出したい」
その一心で、お金をためるようになりました(P.116)。


クリックして頂けるとうれしくて更新頻度が上がります(多分)

『非選抜アイドル』

読後の感想
ちょうど第5回AKB総選挙(実質は株主総会的だけど)が行われており、折角なので読みました。
アイドルだけではなくテレビも含めてですが、実に商業的になり、視聴者の興味を引くためならばある程度のアレやコレ(特に秘す)なんかは平気でやってしまう気がします。
もちろんそれはとりもなおさず、視聴者が受け入れているということであり、どちらか「だけ」が悪いというものではありません。
と、話が横に逸れましたがAKB48のお話。
本当にお商売が上手だと思いますよ、ほんとに。
たかだがアイドルグループの人気投票が毎年良くも悪くもみんなの話題になる、なんて現象はAKB以前はありえなかったと思います、という意味で商売上手。

この選挙の様子を見て、本当に残酷だと思うのは「自分の人気(というか出資額)がどれだけなのか可視化され、衆人に晒される女の子」の姿をニヤニヤ楽しんでいる風景ではないでしょうか。

と、実は本書を読むまでそんなことを思っていましたが、本書からはそんな感じは微塵も受けませんでした。
書いたのはなかやん。
アイドルにしては優しすぎる女の子、と彼女のことを勝手に思っていましたが、本書にはむしろ、これを商業的機会と捉えて這い上がっていこうとするたくましい気持ちが描かれていました。

文中には何度も「出来なければ辞めるしかない」という単語が出てきます。
プロとしての意識の高さと中の人は、同情など望んでいないことすら気付かない自分の浅はかさに少し反省です。

印象的なくだり

公演に取り組んでいる間は、束の間、人気を得なければならないという責任を忘れることもできた。日々の公演に集中することで、自分の人気のなさを見て見ぬ振りをすることができたのである。
しかし、それは単に見ていないだけで、決してなくなりはしなかった。人気がない現実は、そうした忙しい日々の中でも、折りに触れてさまざまな形で差し迫ってきた。
例えば、お客さんの反応にくっきりと現れた。公演をすれば、私たちは否応なくお客さんと向き合わされるのだけれど、そうすると、そこで誰にどれだけ声援があるとか、誰にどれだけ視線がいくといったことがわかるのだ。
それに続いて、公演でのポジションや、CDでの選抜、非選抜、他のメディアのお仕事の多い少ないなど、ことあるごとに差がつけられた。だから、いかに忙しくしていようと、またいかに見て見ぬ振りをしようと、その現実からは逃れるわけにはいかないのだ。
中でもメンバーの「卒業」は、その現実を、最も強烈に突きつけられるイベントだった。AKB48は、プロのアイドルである以上責任を果たせなければ、いつまでもそこにいられはしないのだが、そうなると、残された道は「辞める」ということしかなくなるのである。
入団したての頃、レッスンなどで音をあげると、何度となく「できない人間には辞めてもらうしかない」と注意された。しかしその時は、あまり真剣にとらえてはいなかった。それは、学校でもよく聞く一種の慣用句のようなもので、「あれは脅しているだけで、実際はそんなに簡単に辞めさせられたりはしないだろう」と、どこか高をくくっているところがあった。
しかしAKB48では、それは脅しでも何でもなかったのである。単なる事実にすぎなかった。できない人間は、本当に辞めるしかないのだ。それは、お金を払ってレッスンを受けてるアマチュアではなく、お金をもらってお仕事としてやっているプロである以上、当然のことだった(P.067)。

プロとして重要なのは、「成る」ということ以上に「辞めない」ということなのだった。アイドルにとっては、オーディションに受かるということよりも、続けることの方が大事だった。
私は、ほとんど幸運のみでアイドルに成ることができた。特に、あっちゃんが同級生だったという幸運は、他のどのメンバーにもなかったことだろう。
それに、声優という夢がもともとあって、アイドルには特別興味がなかったことも、オーディションを受ける際には幸運として作用した。他にそういう受験者がいなかったので、個性的だと評価されたのだ。
しかし、いざ合格してそれを続けるとなると、もうそうした幸運の入り込む余地はなかった。そこからは、努力と実力とが否応なく問われた。歌や踊りを一定のレベルでこなすのはもちろんのこと、ファンの人気を得なければならなかった。
それができなければ、辞めるしかない。それが、AKB48を続けていくうえで私に課せられた最大の試練であった。もう「人気を得るのは億劫だ」などと甘えたことを言っている場合ではなかった。それを言い続けていれば、後は辞めるしかない。そして私は、AKB48を辞めるわけにはいかなかった
(P.068)。

この「オーディションを受けられる」というのが、私にとっては大きなチャンスだった。と言うのも、アニメの世界では普通のドラマと違って、声優のキャスティングをする時には、どんなに有名な声優さんでも、オーディションを経て決められるのが一般的だからであった。それはおそらく、どんな声優さんでも実際に声を当ててみないことには、役に合うかどうかがなかなか判断がつかないということがあるからだろう。
そのため、新しいアニメ番組が始まる時には、オーディションが行われることが一般的だったのだが、しかし逆に言えば、このオーディションを受けるということが、普通はなかなかできなかったのである。
と言うのは、オーディションを受けるのが一般的である分、そこに参加するのは有名な声優さんばかりなので、それ以外の人にはなかなかお声がかからなかったのだ。
オーディションというと誰でも参加できるようなオーブンな場所というイメージがあるけど、声優のオーディションはそうではなかった。「受けてみませんか」と依頼された人だけが参加できる、クローズドな世界だったのである。
だから、実は声優というのは実際に採用されることよりも、まずオーディションに参加できるようになることが大変だった。声優として何らかの実績がなければ、そこに参加するチャンスを手にすることはほとんどできない
(P.153)。


人気ブログランキングへ

『ルポ 貧困大国アメリカ』

読後の感想

アメリカではいま中流階層がすごいスピードで貧困層へ転落し、社会は貧困層と富裕層に二極化しているらしい。
それは「自己責任」という名で、選択の余地のない選択を迫られてた結果なのです。
本書では、一章で肥満、二章で行き過ぎた民営化、三章で医療保険、そして四章、五章では搾取される若者労働者という視点から、貧困を描いています。
本書を読み薦めるにしたがって、貧困と無知は本当に仲が良いのだなぁとため息をつきました。
全体を通して、貧困層から富を吸い上げ富裕層に分配する制度設計の不良が見て取れました。
一時期、経済学者のミルトン・フリードマンをもてはやす風潮があったように思いますが、この結果を見るととてもではないが「正しい結果」を生んだとは思えませんでした。

グアムに行く途中の機内で読みました。
本書に出てくる「マカロニ&チーズ」なども現地のマートで見ました。
太った人がそういったインスタント食品を食べているのを見るたびに、本当に複雑な気持ちになりました。

印象的なくだり

国境、人種、宗教、性別、年齢などあらゆるカテゴリーを超えて世界を二極化している格差構造と、それをむしろ糧として回り続けるマーケットの存在、私たちが今まで持っていた、国家単位に世界観を根底からひっくり返さなければ、いつのまにか一方的に呑みこまれていきかねない程の恐ろしい暴走型市場原理システムだ。
そこでは「弱者」が食いものにされ、人間らしく生きるための生存権を奪われた挙げ句、使い捨てにされていく(P009)。

貧困層の受給者たちの多くは栄養に関する知識も持ち合わせておらず、とにかく生きのびるためにカロリーの高いものをフードスタンプを使って買えるだけ買う。貧困層のための無料給食プログラムに最も高い頻度で登場する「マカロニ&チーズ」(一ドル五0セント)を始め、お湯をかけると一分で白米ができる「ミニッツ・ライス」(九九セント)や、味の濃いスナック菓子(一袋九九セント)、二ヶ月たってもカビの生えない食パン(一斤一ドル三0セント)などが受給者たちの買う代表的な食材だ。
これらのインスタント食品には人工甘味料や防腐剤がたっぷりと使われており、栄養価はほとんどない(P026)。

ブッシュ政権誕生時のホワイトハウスでは、災害対策の重要な要素を含む公共事業を、政府全体にわたり早急に民営化する努力が開始されていた。
「FEMAは実質的に民営化されたも同然でした。他の多くの業界同様、アメリカ人が最も弱い「自由競争」という言葉とともにです。私たちは市場に放り出され、競争が始まりました。
主要任務はいかに災害の被害を縮小し多くの人命を救うかということから、いかに災害対策業務をライバル業者よりも安く行うことができるかを証明することに代わったのです」
(中略)
「政府が業務を民間に委託すると、敏速な対応ができなくなります。民間会社の第一目的は効率よく利益をあげることであり、国民の安全維持という目的と必ずしも一致しないからです」(P043)。

学校が民営化されることで国からの教育予算は大幅にコスト削減され、貧困家庭の子どもたちは教育における平等な機会を奪われることになる。
「国家が国民に対し責任を持つべきエリアを民営化させては絶対にいけなかったのです」(P053)。

日本でも昨今問題になっている「貧困と教育格差」が、国が国内の何に対し未来へに投資を行うかという問いと同義語であることを、アメリカの若者たちを追いつめてゆくこの流れが象徴している。
「仕事の意味とは、ただ生活費を稼ぐ手段だけではないのです」とティムは言う。
「若者たちが誇りをもって、社会の役に立っているという充実感を感じながら自己承認を得て堂々と生きられる、それが働くことの意味であり、「教育」とはそのために国が与えられる最高の宝ではないでしょうか?将来に希望をもてる若者を育ててゆくことで、国は初めて豊かになっていくのです。学びたいという純粋な欲求が、戦争に行くことと引きかえにされるのは、間違いなのです」(P141)。

一九九0年代の「外注革命」をモデルにして、アメリカ政府は国の付属機関を次々に民営化していった。アメリカの経済学者ミルトン・フリードマンは「国の仕事は軍と警察以外すべて市場に任せるべきだ」という考えを提唱したが、フリードマンに学んだラムズフェルド元国防長官はさらに、戦争そのものを民営化できないか?と考えた。この「民営化された戦争」の代表的ケースが「イラク戦争」であり、アメリカ国内にいる貧困層の若者たち以外にも、ここに巧妙なやり方で引きづり込まれていった人々がいる(P146)。

教訓は、いつも後からやってくる。ニ00一年九月一一日以後のアメリカで真っ先に犠牲になったもの、それは「ジャーナリズム」だった。
九・一一テロの瞬間をとなりのビルから目撃していた私の目の前で、中立とは程遠い報道に恐怖をあおられ攻撃的になり、愛国心という言葉に安心を得て、強いリーダーを支持しながら戦争に暴走していったアメリカの人々。
だが、実はすべてを変えたのはテロそのものではなく、「テロとの戦い」というキーワードのもとに一気に推し進められた「新自由主義政策」方だった。何故ならあの言葉がメディアに現れてから、瞬く間に国民の個人情報は政府に握られ、いのちや安全、国民の暮らしに関わる国の中枢機関は民営化され、競争に負け転がり落ちていった者たちを守るはずの社会保障費は削減されていったのだから(P203)。


人気ブログランキングへ

『「続ける」技術』

【送料無料】「続ける」技術 ...

【送料無料】「続ける」技術 …
価格:1,260円(税込、送料込)

『「続ける」技術』
石田淳

読後の感想

結論からいきなり書いてしまうと
物事が続かないのは、あなたの「意志の弱さ」とは関係ないのです。
”続け方”を知っているか、知らないか・・・・・・それだけなのです(P.007)。

との導入に対して

では、物事を続けるために何が必要なのでしょうか?
強い精神力?
もって生まれた才能?
行動科学の世界では、それらを完全に否定します。
物事を継続できないのは、意志が弱いからでもないし、元々の才能や性格のせいでもありません。
「行動に焦点を当てていないから続かない」(P.043)。

と、もっていくくだりは説得力があって上手だなぁと思いました。

本書の目の付け所も一風変わって素敵だと思います。
一般的には「目標を達成する」ことが目的であるはずなのに、それを「続ける」ことに置き換えるあたりが上手ですね。
確かに「目標を達成する」ための本はたくさん出ていますが、「続ける」ための本は少ないです。
しかも、両者の読者ターゲットはほぼ同じなので、差別化をはかるアプローチが非常に秀逸です。

特に著者は、「続けること」ができない理由の一つに「ライバル行動」を挙げています。
何をしようとするときに、それに代替しようと出現する行動です。
「続けられない」ことに着目しているだけでは、この「ライバル行動」を意識することはできません。
自分にとっての「ライバル行動」は何か?、これを考えるきっかけになりました。

目次
第1章 あ~あ、やっぱり続かない・・・・・・
第2章 「続かない理由」はここにある
第3章 行動に着目すれば、物事は簡単に継続できる!
第4章 ステップで解説!続ける技術を身につけよう!
第5章 続けるためのちょっとしたコツ
第6章 行動科学で続けられた!

第1章で、誰にでもあるような経験を挙げて、第2章から5章でそれを分析し、その結果第6章でどうなったかを描くという、ストーリー仕立てもこの手の本をよく分析している。
悪く言えば教科書通り。

印象的なくだり

あなたが継続したいと思っている行動には、二つのパターンがあります。
第一に英会話学習や筋力トレーニングを継続させたい、というような「不足行動を増やす」というパターン。
第二に禁煙やダイエットで過食を防ぐ、などの「過剰行動を減らす」というパターン。
いかなる行動であろうと、継続するパターンは、このどちらかです。
物事をつつけるために増やしたいと考えている行動、あるいは減らしたいと考えている標的となる行動のことを「ターゲット行動」と言います。
やみくもに続けようとする前に、まずあなたのターゲット行動が、足りないから増やしたい行動・・・・・・すなわち「不足行動」なのか、余計だから減らしたい行動・・・・・・すなわち「過剰行動」なのかをはっきりさせるのです。課題を明確にし、有効な方法を選ぶこと。それが続けるコツです(P.046)。

不足行動には大きなハードルがあります。
それは「すぐに成果を確認できない」ということです。
(中略)
言い換えれば、長く続けなければ成果が得られないから、続けることができないのです。
(中略)
しかも。不足行動を増やす場合は、誘惑によって邪魔されやすいものです。
私はこの誘惑を「ライバル行動」と呼んでいます(P.048)。

単に「資格試験で合格する」だけでは、緊張感が生まれません。
「○月○日の試験に合格して、資格を得る」というように、期限・期日を設けるのです(P.105)。

夢に日付を、的な。

ペナルティは「無駄金」を使うように・・・・・・
ごほうびと反対に、継続のための行動をしなかった場合のペナルティも決めておきます。
「一日休むごとに妻に1000円渡す」
「さぼった日は禁酒」
したくないことを強制する。あるいは好きなことを禁止する。これがペナルティです。
(中略)
金銭的なペナルティを課すなら、慈善行為ではなく、わざと”無駄金”を使うようなことを考えます。
「ライバル会社の製品を買う」
「わざわざ高い店で買い物をする」
「定期券があるのに切符を使う」
したくないことをペナルティにすると、それを避けるために行動を続けるようになります(P.127)。

おもしろい!
この「定期券があるのに切符を使う」は自分が一番嫌いな、最も効率のいい方法があるのに、それをやらないで対価なしにただ浪費することなので、いい罰になるw

フロント行動リサーチ
行動の直前環境を調査
ターゲット行動
■ターゲット行動の発生する頻度、持続時間はどのくらいですか?
■ターゲット行動は、どのような時に発生しやすいですか?
■ターゲット行動は、どのような場所で発生しやすいですか?
■ターゲット行動は、誰がいるとき発生しやすいですか?
■ターゲット行動が発生する前に、あなたがしていた活動や出来事は何でしょうか?
■ターゲット行動の直前に、あなたの周囲の人が言った事やした行動は何か?
■ターゲット行動が発生する前に、あなたは他に何をしていましたか?
■ターゲット行動が発生しにくいのは、どんな時で、どんな場所で、誰といる時で、どんな活動や状況のときか?
ライバル行動
■ライバル行動は、どんな行動ですか?
■ライバル行動の発生する頻度、持続時間はどれくらいですか?
■ライバル行動をするために、あなたはどれだけのエネルギーが必要でしょうか?
■ライバル行動をする度に、あなたにとっていつも良いことがありますか?
■ライバル行動は、どのような時に発生しやすいですか?
■ライバル行動は、どのような場所で発生しやすいですか?
■ライバル行動は、誰がいるときに発生しやすいですか?
■ライバル行動が発生する前に、あなたがしていた活動や出来事はなんでしょうか?
■ライバル行動が発生する前に、あなたは他になにをしていましたか?
■ライバル行動が発生しにくいのは、どんな時で、どんな場所で、誰といるときで、どんな活動や状況のときか?(P.071)。

アフター行動リサーチ
行動の直後環境を調査
ターゲット行動
■ターゲット行動の後に、どのようなことが発生していますか?
■ターゲット行動が発生したら、あなたは、どのようなことをしていますか?
■ターゲット行動が発生したら、周囲の人は、どのようなことをしますか?
■ターゲット行動が発生した後で、何が変わりますか?
■ターゲット行動が発生した後、あなたは何を得ることができますか?
■ターゲット行動を発生させることで、あなたが何をしなくてすんだり、避けることができますか?
ライバル行動
■ライバル行動の後に、どのようなことが発生していますか?
■ライバル行動が発生したら、あなたは、どのようなことをしていますか?
■ライバル行動が発生したら、周囲の人は、どのようなことをしますか?
■ライバル行動が発生した後で、何が変わりますか?
■ライバル行動が発生した後、あなたは何を得ることができますか?
■ライバル行動を発生されることで、あなたが何をしなくてすんだり、避けることができますか?(P.075)。


人気ブログランキングへ
押して頂けるとやる気がでます。